哀しくも切ない男の実話「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」
2005年6月7日 12:00

9・11テロ事件から遡ること約30年前、民間機をハイジャックしてホワイトハウスに墜落させ、大統領暗殺を企てた男がいた――。仕事も家庭も失い、正しい者が報われない間違った社会の根源を国家に見出した男が、それを打倒して自らの存在を世に示そうとする物語が、「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」だ。
本作が初監督となるニルス・ミュラーは、実在の事件からヒントを得て、この物語を書き上げたが、資金やスタッフ集めに苦心した。しかし、そこへ大学時代の同級生であるアレクサンダー・ペインを筆頭に、アルフォンソ・キュアロン、レオナルド・ディカプリオら高名な映画人が製作に加わり、企画が進んでいった。主演は、昨年のアカデミー賞を受賞したショーン・ペンに決まった。「ペインを経由して、ショーン・ペンが脚本を読み、出演してくれることになったんだ」
さらに監督は続ける。「キュアロンは、いろいろと意見を出してくれた。脚本にも細かく付箋を貼ってアドバイスしてくれたし、カンヌやトロントの映画祭にも来てくれた。それだけ彼はこの映画を気に入ってくれたんだ。ディカプリオは、もし資金が足りない場合は、彼の製作会社から出してくれると約束してくれた。作品を観たときは『ショーン・ペンはまたすごい演技をしたね』と言っていたよ」
ディカプリオも舌を巻いたショーン・ペンの演技力が、サムという男の哀しみを多いに深め、映画にリアリティを与えているのは瞭然だ。「多くの脚本家が、ショーン・ペンが主演してくれたらいいなと思いながら書いているだろう。僕もそのひとりだが、実現するとは思いもしなかった。だから、彼の主演が決まったときはひたすら嬉しかったよ」
一流の映画人たちに支えられて完成した「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」は、6月11日より公開。
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