「ヒットのキーワードは“シニア層”」Bunkamuraル・シネマ番組編成プロデューサーに聞く
2014年3月17日 14:35

[映画.com ニュース] “邦高洋低”が続く近年の映画興行にあって、渋谷・Bunkamura ル・シネマやシネスイッチ銀座などのミニシアターを中心に、シニア向けの洋画がヒットを続けている。ジュデイ・デンチ主演「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」、マギー・スミス主演「カルテット!人生のオペラハウス」、ジャンヌ・モロー主演「クロワッサンで朝食を」など、シニア世代の俳優が人生を謳歌する主人公たちを演じた作品が、小規模公開ながら興行収入1億円を突破するというヒットの傾向について、Bunkamura ル・シネマの番組編成プロデューサー、中村由紀子氏に聞いた。
中村氏は、こういった作品が熟年層の心をとらえている背景について「主人公が自分たちの年齢に近く、共通の思いや喜怒哀楽といった感情があり、物語に自身を重ねやすいのではないか」と分析。映画を鑑賞することで、「人生はいくつになっても発見や新しい出会いがあり、チャレンジしよう、前向きに生きようという希望がわいてくる」とも語る。
また「洋画になじんだ世代であり、出演者に信頼感がある」という言葉からは、シニア層にとっては「映画=洋画」という図式も見え、「劇場で映画を見ることが、若い頃からの習慣になっている」という実状からも、シニア世代には洋画を映画館で鑑賞することが、ライフスタイルとして根付いていることがうかがえる。そして、前述の作品群が、東急百貨店本店に隣接する芸術複合施設Bunkamuraや、昭和30年代からの長い歴史を持つシネスイッチ銀座で上映されていたのもポイント。「鑑賞の前後にショッピングや食事を楽しめる“お出かけ”として、友人やパートナーを誘いやすい」という側面も強い。
そんなシニア層向けの作品で現在注目されているのが、両館で公開中の「あなたを抱きしめる日まで」。デンチが実在のアイルランド人女性を演じ、50年前に引き離されてしまった息子を捜すため、ベテラン記者とともにイギリスからアメリカに旅する感動作。シリアスなテーマながら、第86回アカデミー賞で主演女優賞ノミネートを受けたデンチの愛らしいキャラクターが、「勇気をもらった」「新しいことを始めたくなった」とシニア層の共感を呼んでいる。
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