武装勢力が家族にメールも… ジャーナリスト・安田純平氏が明かす拘束体験
2021年2月8日 17:00

IS(イスラム国)の人質となりながら、奇跡的に生還したデンマーク人写真家ダニエル・リューの実話を映画化した「ある人質 生還までの398日」のトークイベントが2月7日、都内で開催され、ジャーナリストの安田純平氏が登壇。2015年から3年4カ月にわたりシリアで武装勢力に拘束された経験を持つ安田氏が、当時を振り返りながら解説を行った。
本作の原作は、ジャーナリストのプク・ダムスゴーが書き上げた「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」(光文社新書刊)。「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニールス・アルデン・オプレブと、人質救出の専門家という重要な役で本作に出演しているアナス・W・ベアテルセンが共同監督を務め、ISの真実を人質の視点で初めて内側から本格的に描いた映画としても注目されている。

映画評論家の森直人氏とトークを繰り広げた安田氏は、主人公ダニエルと同じ部屋で監禁されていたアメリカ人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリーと実際に交流があったことを明かし、「映画の中で彼が動いて話をしているのを観るだけで……もうずっとジェームズを観ているような状態でした。彼が本当にかっこいいんですよ。劇中もずっと周りを励ましているじゃないですか」と、危険な取材先で協力してもらったというエピソードを披露する。
自身が拘束中には、武装勢力から家族にメールがあったといい、「『日本政府に連絡を取っているのだけれど、全然相手にしてくれない、どうなっているんだ。連絡先ここだから連絡して』と。だから、家族が外務省に伝えたけれど、絶対に交渉はしない、身代金は払わないというのが日本政府の絶対のルールでしたから」と当時の意外なやり取りを明かす。

最後に、安田氏は「この映画はよその国の話のように見えますけれど、なぜ我々日本人は後藤(健二)さん、湯川(遥菜)さんを救出することができなかったのか、を考えなくてはいけない映画」と訴え、「今でもシリアの内戦はずっと続いていて大変な状態で、これは終わった話ではないんです。今でも起きていることだということを考えながら、この映画を観ていただきたいです」と呼びかけていた。
「ある人質 生還までの398日」は2月19日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町で公開。
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