「よこがお」深田晃司監督、マスコミのあり方にも言及「まさに今見てもらいたい映画」
2019年7月27日 17:00

[映画.com ニュース]第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した「淵に立つ」の深田晃司監督と筒井真理子と再タッグを組んだ最新作「よこがお」公開記念舞台あいさつが7月27日にテアトル新宿で行われた。この日は共演者の市川実日子、池松壮亮、吹越満も登壇した。
ある事件をきっかけに、「無実の加害者」へと転落し、身に覚えのないことで不利な状況に陥る人生の不条理に立ち向かう様を描き出した本作。8月7日(現地時間)からスイス・ロカルノで開催される第72回ロカルノ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されることが決定しており、深田監督と筒井の参加予定となっている。大勢の観客で埋まった客席を見渡した筒井は、「こんなに満員のお客さまの前で、映画を心待ちにしてくださった方に無事にお届けできてしあわせです。この映画はとても不思議な映画だと思っていて。ご覧になった方から『今まで見たことがない』とか、『ズシンときて、帰りの電車で考えている』とか、そういった感想をいただくんです。時間があれば、皆さんと喫茶店に行って。ひとりひとりの感想を聞かせていただきたい」と笑顔。
さらに深田監督も、「監督は映画のことを全部知っているかというと、そうでもなくて。作り手と作品とは、親と子の関係に近いと思っているんです。親が子供のことをよく知っているかというとそうでもなくて。子どもの友だちから評判を聞いて、こんな子なんだと思うものなんです。劇場の皆さんと一緒に喫茶店に行くのは難しいですが、SNSに感想を書いていただければチーム一同でこっそり拝見します」と会場に呼びかけた。
さらに池松が「脚本からものすごく緻密に、らせん階段のように感情がグルグルとなっていて。キャラクターと一緒に階段をのぼっていけば、いつの間にかエスカレーターのように登って、連れていかれるような、ものすごく作り込まれた素晴らしい作品でしたね」と語れば、市川も「先ほど(舞台袖にいたら)、クライマックスの音が聞こえてきて、胸がギューッとなりました。この作品は頭で考えたりするのではなく、自分の、生理的反応が現れる作品になっていると思います。この帰り道も、いろんな感情が生まれてくると思います」と誇らしげに付け加えた。
そして最後のあいさつを求められた深田監督は、本作がマスコミのあり方にも言及していることを踏まえ、「マスコミの報道を見ていると、どんどん事件が更新されているなと思います。ちょっと前は麻薬だったものが、今は闇営業になって。そういう意味で、作った映画がある意味フィットしているなと思いました。まさに今見てもらいたい映画になりました。この映画は映画館で見るように設計しているので、まわりの方にもぜひ映画館で見るようにお伝えしてくださったらと思います」と呼びかけた。
「よこがお」は角川シネマ有楽町、テアトル新宿ほか全国で公開中。
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