破滅に向かう愛、壮絶なロマンティシズム レオス・カラックス「ポーラX」4K版、予告&新場面写真
2026年2月5日 12:00
「ポンヌフの恋人」(91年)から8年、レオス・カラックスは19世紀半ばのアメリカ小説、ハーマン・メルビルの「ピエール」(1852)の映画化「ポーラX」で復活する。原作「ピエール」は、発表当時あまりに背徳的で虚無的な内容のため「メルヴィル発狂す」と報じた新聞まであった怪物的作品だった。「ポーラX」は小説の仏題"Pierre ou les ambiguité" (ピエール、あるいは曖昧なるもの)の頭文字Polaに謎のXをつけた暗号だった。現代のパリに設定を変え、二人の絶望の深み、そしてその果てにあるあらゆる愛憎あらゆるしがらみからの超越を、壮絶なロマンティシズムの物語として描いた。

裕福で満ち足りた田園生活を送るピエール(ギョーム・ドパルデュー)と母マリー(カトリーヌ・ドヌーヴ)。そこへ「姉」と称して闇の世界から現われたボスニア難民イザベル(カテリーナ・ゴルベワ)の抗しがたい魅力に引き寄せられたピエールは、母も婚約者も家督も全て捨てて彼女とパリに出る。イザベルは本当の姉なのか。闇が深まるほど疑惑も深まる。運命に翻弄され、絶望へと吸い込まれていく二人をカラックスは仮借ない視線で見つめていく。
予告編は、栄華を極めたバロック時代の作曲家ヘンリー・パーセルの「Come Ye Sons of Art」にのせて、大富豪の美しい青年作家ピエールが緑に囲まれた豪邸に母と暮らす穏やかな日常が描かれる。突如、レジスタンスのオーケストラが奏でるロック調のダークでアバンギャルドな音楽がかぶさり、ピエールの心を侵食していく。「僕はずっと待っていた——この世を超えるきっかけを」イザベルと出会ったピエールは、母の静止を振り切り全てを捨てて家を出る。“真実”を求めて闇の中を彷徨うピエールが絶望の深みに溺れて狂乱する壮絶な姿を捉えた映像となっている。

場面写真は艶やかな金髪のピエールと母マリーが見つめ合う美しい親子の図、涙を流しながらバイクを走らせるカトリーヌ・ドヌーヴ演じるマリー、ピエールの婚約者・リュシーがピエールとイザベルふたりの居所を突き止めるシーン、杖をついたピエールがイザベルとリュシーと共にセーヌ川沿いを歩く場面、指揮者のボスを見上げるレジスタンスのオーケストラ、広大な庭でお針子にウェディングドレスを調整してもらうリュシー、血にまみれた奔流に溺れるピエールとイザベル、闇を纏い憂いを湛えたイザベルの姿などが収められている。

また、フランスを中心にヨーロッパの高感度なファッション小物をセレクトするH.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)では、ポンヌフの恋人」「汚れた血」「ボーイ・ミーツ・ガール」 「ポーラX」の4Kレストア版公開を記念したタイアップキャンペーンのとして、スペイン発ファッションブランド「D-due(デ・ドゥエ)」のコラボTシャツを発売する。映画は2月21日からユーロスペースほか全国で劇場公開。
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