「あの頃ペニー・レインと」C・クロウ監督、フィリップ・シーモア・ホフマンを追悼
2014年2月6日 12:50

[映画.com ニュース] キャメロン・クロウ監督が、2月2日に急逝したフィリップ・シーモア・ホフマンさんが自作「あの頃ペニー・レインと」(2000)に出演した際のエピソードを自身のウェブサイト「The Uncool」で披露し、ホフマンさんを追悼した。
「あの頃ペニー・レインと」は、15歳で「ローリング・ストーン」誌のライターとなったクロウ監督自身の経験が反映された、青春音楽映画の傑作。そのなかでホフマンさんは、15歳の主人公ウィリアム(パトリック・フュジット)のメンターとなる、実在した伝説のロックジャーナリスト、レスター・バングスを演じた。
映画終盤の名シーンのひとつが、バンドのツアー同行記を書きあぐねたウィリアムが、レスターに電話をかけるシーン。レスターは悩むウィリアムに対して、「ロックミュージシャンと親しくなって、自分まで格好よくなった(Cool)ように思うかもしれないが、俺たちは格好悪い(Uncool)。(ロックスターのように)女にモテなくて苦労するけど、世界中の偉大な芸術のほとんどはそのことがテーマなんだ」と静かに優しく語りかける。
クロウ監督は、「PSH」のタイトルをつけた追悼文のなかで、このシーンについて「私の当初の解釈では、このシーンはレスター・バングスが深夜に自分の信条をまくしたて、叱咤激励するようなイメージだった。ところが、フィルの手にかかったことで、まったく異なるものになった」と回想する。
「それは、ともに岐路に立ち、傷つき、夜更かしをしているふたりの男が、静かな真実を共有する姿だった。そして、このシーンが映画の魂になった。テイクの合間、ホフマンは誰とも話そうとしなかった。彼はずっと、ヘッドホンから聞こえるレスター本人のインタビューの言葉に耳を傾けていた。このシーンの撮影が終わったとき、私はホフマンが魔法のような手品を成功させたことに気づいた。セリフや脚本を超えて、ほとんどの人が知らない、本当のレスターの魂と思いやりの心を引き出したことに。その瞬間、レスター・バングス像は完全なものになった。クルーも私も、この天才の営みを最前列で目撃できたことに、永遠に感謝しつづけるだろう」。
ちなみに、レスター・バングス本人も薬物の過剰摂取により、33歳の若さで、ニューヨークで亡くなっている。
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