「パンズ・ラビリンス」のデル・トロ監督、新たなる苦悩とは?
2011年3月10日 11:05

[映画.com ニュース] 「ヘルボーイ」シリーズや「パンズ・ラビリンス」で知られる、メキシコの奇才ギレルモ・デル・トロ監督の新作が、こう着状態に陥っている。
デル・トロ監督は、「ロード・オブ・ザ・リング」の前章にあたる「ホビット(原題)」の監督として2年もの月日を準備に費やしたにもかかわらず、権利を保有するMGMの売却問題の影響でクランクイン時期のめどが立たないことから降板している。その後、H・P・ラブクラフトの名作「狂気の山脈にて(At the Mountains of Madness)」の映画化に着手。「アバター」のジェームズ・キャメロン監督をプロデューサーに迎え、万全の状態で準備を行ったものの、ユニバーサルが撮影開始に待ったをかけている状態だ。
米Deadlineによれば、ユニバーサルが躊躇(ちゅうちょ)しているのは、同作が製作費1億5000万ドルの大作であるうえに、観客を限定するR指定映画(17歳以下の鑑賞は保護者の同伴が必要)になるという点だ。宣伝費を含めた資金を回収するためには、全世界での累計興行収入で5億ドル規模のヒットを計算する必要があり、ホラー色の強いアドベンチャー作品では厳しいとの見方もある。
さらに、ユニバーサルは最近ヒット作に恵まれていないうえに、アメリカのケーブルテレビ会社のコムキャストに買収されたばかりで、大作映画に容易にゴーサインを出せない事情がある。そのため、当初は2010年中に製作開始となる予定だったが、いまだに身動きを取れずにいる。
しびれを切らしたデル・トロ監督は、ワーナーで準備を進めていた新作「Pacific Rim」を優先させる構えを見せ、ユニバーサルに決断を迫っている。皮肉なことに、デル・トロ監督が新作をなかなか撮ることができないでいるうちに離脱した「ホビット」は、ピーター・ジャクソン監督のもとでクランクインを迎えようとしている。
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