「君の涙 ドナウに流れ」主演俳優が語る、ハンガリー五輪選手の悲劇
2007年11月16日 12:00

[映画.com ニュース] ハンガリーに深い傷跡を残した1956年の史実を基に、歴史に翻弄された男女の愛を描く「君の涙 ドナウに流れ/ハンガリー1956」が、間もなく公開を迎える。本作に主演したハンガリーの若手俳優イバーン・フェニェーに話を聞いた。
1956年、ソ連の支配下にあったハンガリーで、圧政に苦しむ市民が自由を求めて蜂起するが、ソ連軍の圧倒的な兵力に踏みにじられ、多くの犠牲者と亡命者を出した。そしてその数週間後にオーストラリアのメルボルンで開催されたオリンピックで、ハンガリーの水球チームは奇しくもソ連と闘うことに。これは後に“メルボルンの流血戦”としてオリンピック史に残るゲームとなった。映画はこれらの史実を背景に、水球選手カルチと女子学生ヴィキの悲しくも激しい恋模様が描かれる。
“ハンガリー動乱”と呼ばれる1956年の革命は、半世紀以上経った現在もハンガリー市民にとって非常に繊細な問題なのだという。「ハンガリーが共産主義から民主主義へ移行する89年以前は、この事はまるで秘密のように誰も話さなかったし、いまだにほとんど話題にされないんだ。僕らの世代はハンガリーの自由のための戦いだと教わっているけど、問題は革命が失敗に終わったってことだろうね」
動乱直後に行われたメルボルンオリンピックのシーンでは、ハンガリーの水球選手がソ連選手との乱闘の末に右目の下を切って流血した“メルボルンの流血戦”が再現されている。荒々しい試合をリアルに再現するために、フェニェーほか水球選手役の俳優は2カ月間トレーニングを行ったそうだ。「週に5日間練習して鍛えたよ。その際ハンガリー代表チームにも2回ほど指導してもらったんだ」。水球はハードなスポーツとして知られているが、苦労したかと聞くと「それほどハードじゃなかったよ。僕は8歳のときから柔道を9年間やってたし、そのほかにもキックボクシング、登山、ランニング、スイミング、サイクリングで普段から鍛えてるからね」と余裕の笑みを浮かべた。
「君の涙 ドナウに流れ/ハンガリー1956」は11月17日より公開。
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