「ツインピークス」主演カイル・マクラクラン、「リンチ監督は私を創造した」と追悼文
2025年1月21日 10:00

鬼才デビッド・リンチ監督の訃報を受け、代表作「ツインピークス」のデイル・クーパー役で知られる俳優カイル・マクラクランが、米ニューヨーク・タイムズに心のこもった追悼文を寄せた。40年にわたる監督との関係を振り返り、「今の自分という人間は彼なしには存在しなかった」と深い感謝を示している。
マクラクランは傑作「ブルーベルベット」(1986)や、カルト的人気を誇るTVドラマ「ツインピークス」シリーズなど、リンチ作品の顔として活躍してきた。だが、1983年に「デューン 砂の惑星」のオーディションを受けた際、カメラの前で固まってしまう新人にすぎなかったという。同作の興行的失敗のあとも、リンチ監督は迷うことなく彼を「ブルーベルベット」の主演に抜擢。さらに90年、当時31歳で知名度もそれほど高くなかった彼に、意欲的な連続ドラマ「ツインピークス」の主役を託した。2015年のシリーズ復活では、3つの異なる役柄という挑戦的な役どころまで任されることになる。
リンチ監督は言葉での説明を好まなかったと、マクラクランは明かす。「『もっと風を』『エルビスを意識して』といった独特の指示を出し、時にはただ隣に立って、沈黙の中で何かを共有するんです。私は彼の意図を受け取り、彼も私が分かっていることを知っていました」と、独特の演出手法を振り返る。
「リンチ監督は絵画、音楽、彫刻、ビジュアルアートなど、言語を超えた表現を追求していきました。言葉の外側にいるとき、私たちは感情や無意識、波動の領域に入り込む。それこそが彼の世界でした」とマクラクランは語る。
追悼文の締めくくりには、「ツインピークス」の印象的なセリフが引用された。「私はどこに行くのか分からないけれど、素晴らしく、奇妙な場所に辿り着くという確かな感覚がある」
そして最後に「私は親愛なる友人を失った。彼は私たちの世界を、素晴らしく、そして奇妙なものにしてくれた」と、師であり、友人であった映画作家への深い感謝と哀悼の意が記されている。
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