「Fukushima50」世界73の国と地域で公開、佐藤浩市「未来へのバトン渡すことができる」
2020年1月26日 19:29

[映画.com ニュース] 2011年の東日本大震災で津波に襲われ、全電源喪失などの危機に見舞われた福島第一原子力発電所の真実に迫る映画「Fukushima50」のワールドプレミアが1月26日、東京国際フォーラムで行われ、同作が世界73の国と地域で配給・公開されることが発表された。
ヨーロッパやアジアを中心に随時交渉を進めており、主演の佐藤浩市は「災害は深い傷跡、つめ跡を残すが、負の遺産を我々人間の少しの努力で遺産に変えることができ、明日、未来へのバトンを渡すことができる。皆さんもそう願ってください」と訴えた。渡辺謙も、「世界に届けるための英語タイトルだと思っている。フクシマはまだネガティブワードとしてとらえられているが、未来を見据え少しでもポジティブに扱われるよう深いパワーが届けられると信じている」と言葉に力を込めた。

震災からの5日間、原発の運命を託された作業員たちの奮闘を描く群像ドラマ。今月23日の福島・郡山での初上映には2人と若松節朗監督が向かい、翌24日には佐藤が仙台、渡辺が気仙沼に行きキャンペーンを行った。最前線の中央制御室(中操)で指揮を執った当直長・伊崎を演じた佐藤は、「時系列に沿って撮影ができたので、シーンを重ねていくうちに皆が同じ境遇にいる意識になった。あの結束は普通の映画ではなかった」と感慨深げに振り返った。

部下役の吉岡秀隆も「撮影が終わった後、マスクを取ったら皆老けていた。浩市さんも『64 ロクヨン』の前・後編より疲れたと言っていた。それくらい必死でした」と感想。萩原聖人は「浩市さんが、決起集会という名の飲み会を開いてくれて中操がひとつになりました」とおどけ気味に明かした。

一方の渡辺は、緊急時対策室(緊対)を統括する吉田昌郎を実名で演じた。郡山での上映を振り返り、「当時高校生だった人がテレビ局のアナウンサーになっていて、(実際の津波の映像などで)体の震えが止まらず心が折れそうになったけれど、最後まで見なければと言っていた。作ってくれてありがとうという言葉をいただき、届ける自信ができた」としみじみ語った。
佐藤も、「この映画が、記録にも記憶にも残るであろうと思っています」と訴えた。「Fukushima50」は、原発に残った作業員に敬意を込めて海外メディアが付けた呼称。その“名もなき戦士たち”が、世界でどのように受け止められるか注目だ。
「Fukushima50」は、3月6日から全国で公開される。
(C)2020「Fukushima 50」製作委員会
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