タイホラー「ラスト・サマー」脚本家「本当に怖いのは周りの人々」
2014年10月27日 08:15

[映画.com ニュース] タイ発のオムニバスホラー映画「ラスト・サマー」が10月26日、第27回東京国際映画祭のCROSSCUT ASIA部門で上映され、プロデューサーのルタイワン・ウォンシラサワットと脚本のコンデート・ジャトゥランラッサミーがティーチインに出席した。同部門出品作「タン・ウォン 願掛けのダンス」の監督も務めるコンデートは、客席から飛び入りで参加し、会場を盛り上げた。
タイの新鋭監督3人が主人公の異なる3話をリレー形式でつなぎ、ひとつの物語を紡ぐ。Facebookに「死にたい」と書きこんだ若手女優ジョーイを励ますため、友人のシンは仲間を誘って海辺の別荘へ出かけるが、そこで誤ってジョーイを死なせてしまう。それ以来、シンと仲間たちはジョーイの幽霊に怯えるようになる。
ルタイワンは「若者が興味のある映画を撮りたいと思った。恋愛、友情、家族をそれぞれの監督で撮ったら実験的で面白いと思いました」と製作意図を話し、「タイでは劇場に足を運ぶのは圧倒的に若者。当然若者がターゲットになります」とタイの映画産業事情を明かした。
「心霊写真」や「ナンナーク」、現在日本でも公開中の「愛しのゴースト」のヒットでホラー大国として知られるようになったタイ。ホラーが好きな理由を、ルタイワンは「グループで映画に行く若者は、一緒に大声をあげて驚くのが楽しいのだと思います」と説明。コンデートも「タイでは若者は1人では映画に行かない。タイ人は寂しがり屋なんです(笑)」とおどけてみせた。
また、劇中で描かれる裏切りや、歪んだ家族の肖像などホラー以外の要素について質問が飛ぶと、ルタイワンは「良いホラー映画は社会的な要素を含んでいると思う」と持論を展開。コンデートも「教訓的にしたいという意図は入れないようにしている。タイでは本作の主人公のように、ミスして追いつめられても挽回出来ないという状況がよくあります。実際に恐ろしいのは幽霊ではなく、周辺にいる人々の追いつめ方だったりする」とタイ社会全体の傾向を踏まえて語った。
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