キングスマン ファースト・エージェント

劇場公開日:2021年12月24日

解説・あらすじ

スタイリッシュな英国紳士が過激なアクションを繰り広げる人気スパイアクション「キングスマン」シリーズの3作目。第1次世界大戦を背景に、世界最強のスパイ組織「キングスマン」誕生の秘話を描く。表向きは高級紳士服テーラーだが実は世界最強のスパイ組織という「キングスマン」。国家に属さない秘密結社である彼らの最初の任務は、世界大戦を終わらせることだった。1914年、世界大戦を裏でひそかに操る闇の組織に対し、英国貴族のオックスフォード公と息子のコンラッドが立ち向かう。人類破滅へのカウントダウンが迫るなか、彼らは仲間たちとともに闇の組織を打倒し、戦争を止めるために奔走する。「ハリー・ポッター」シリーズでも知られる英国の名優レイフ・ファインズがオックスフォード公、「マレフィセント2」「ブルックリンの片隅で」の新鋭ハリス・ディキンソンが息子のコンラッドを演じた。彼らの前に立ちふさがる敵でもある怪僧ラスプーチンには個性派俳優のリス・エバンスが扮した。監督、脚本、製作はシリーズ全作を手がけるマシュー・ボーン。

2021年製作/131分/PG12/アメリカ
原題または英題:The King's Man
配給:ディズニー
劇場公開日:2021年12月24日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

“観る楽しさ”倍増する特集をチェック!

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7

(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

映画レビュー

3.5 骨太な作品…だが、骨太すぎて物足りないところも。

2022年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 7件)
すっかん

4.5 前日譚で深化するキングスマンの世界

2021年12月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 当初の全米公開予定から2年以上、延期に延期の末やっとお目見えした本作。その間映画館でポスターやフライヤーが出現するたびに何度ぬか喜びをしたことか。そんなこんなで自分の期待が過度に膨らみすぎているのではという不安さえ感じながら観に行ったが、杞憂だった。

 前の2作に比べると、エグ味は少ない。みんなの頭が爆発するとか、人間がミンチにされるとか、あっけらかんと胴体チョンパみたいなレベルに相当するシュールなシーンはなかった。個人的には、初期の劇場予告がシリアスな雰囲気だったのでテイストを変えてくるんだろうなという心構えはしていたが、前作の延長線上のどぎつさを期待すると、少し肩透かしを食らうだろう。でも、スタイリッシュでテンポのよいアクションは健在だ。
 コリン・ファースやタロン・エガートンを見たい気持ちもあったが、実際見てみると、正統な3作目の前に前日譚を持ってきてキャストを一新し、別の角度の物語を見せたことは、マンネリ化を避ける意味で正解のように思えた。

 今回のおふざけは、第一次世界大戦当時の歴史上の人物をバンバン登場させているところだろう。とりあえずラスプーチンやサラエボ事件のことは事前におさらいしておくとより楽しめる。トム・ホランダーが一人三役で英独露を統治していたのは笑ってしまった。
 史実や逸話そのままの描写が結構あり、それが物語の流れの中でとても上手に生かされている。ちなみに本作のパンフレットに、登場した実在の人物(マイナーな人まで12人)の説明と、彼らが作中でどのように描かれたかがコンパクトにまとめられている。このパンフ、当時の時代背景や過去2作の写真付きまとめもあって、小さいし薄いがなかなか便利だ。
 史実を取り込みながらも創作は大胆に皮肉たっぷりに。右も左も、レーニンもヒトラーも全部陰謀かよ!

 中盤で描かれるコンラッドの戦場での話は、キングスマンの雰囲気から離れた戦争映画のような出来だ。そこだけはおふざけがなく、顛末もインパクトがある。オーランドがキングスマンを創設する強い動機につながる大切なシークエンスだから、シリアス寄りの描写で重みを持たせたのはよかったと思う。
 過去作のエージェントのコードネームの由来を匂わせる場面なども多々あり、最後まで見ると1作目にかちりと繋がる爽快感がある。Manners Maketh Man の決め台詞が似合う世界観は一貫している。

 毎回眼福な壮年英国紳士アクションだが、レイフ・ファインズが頑張っていて(もちろんスタントも使ったんだろうけど)もう本当にありがとう、という感じだった。あんなに渋くて威厳があるのに、一番ドジっ子な行動が多いのがまたたまらない。英国紳士の身だしなみをばっちり決めた姿から、乱れ髪に無精髭の疲れた姿、ズボンを脱いで太ももを舐められるシーンまであってサービス満点。そこまでしてもらってよいのでしょうか。
 最高級の仕立ての英国スタイルを表現した衣装や、緊迫感があって時に壮大な劇伴も、とにかくいちいちかっこよかった。今回はロシアつながりでチャイコフスキー。クラシックで盛り上げるのが上手い。
 ラスプーチンが強烈過ぎて、ラスボスがちょっとかすんだのが惜しい。ネットのない時代に凄すぎる使用人情報網と、ヤギがいい仕事をしていた。

 過去の作品においてハリーやエグジーが帯びた使命の背景が明確になったことで、1、2作の再鑑賞がまた一味違うものになりそうだ。楽しみを増やしてくれる、シリーズへの期待を裏切らない前日譚。

コメントする 2件)
共感した! 22件)
ニコ

4.0 本格的な「戦争映画」と「キングスマン」シリーズらしい“スタイリッシュかつダイナミックなアクション”が見事に融合した新機軸なスパイ映画。

2021年12月24日
PCから投稿

本作の時代背景は1900年初頭で、イギリスにある、どの国にも属さない中立スパイ機関「キングスマン」の誕生秘話が描かれています。
これまでの2作品とは作風が違っていて、歴史上の史実に基づき物語が進められ「実はその背後には“キングスマン”という存在があった」という設定になっているマシュー・ボーン監督の意欲作。
中でも催眠療法などを駆使していたとされる「ロシアの怪僧」の「ラスプーチン」など、“本格的な戦争映画”らしく、第一次世界大戦周辺に実在した人物が多く登場しているのが、これまでの作品とは大きく異なります。
そして、“本格的な戦争映画”を描きつつも、特に後半では「キングスマン」シリーズらしい“スタイリッシュかつダイナミックなアクション”が登場するなど、まさに「キングスマン0」というような作品になっているのです。
製作総指揮も務めたレイフ・ファインズが演じる主人公オーランド・オックスフォード公爵の揺れ動く心情と覚醒を丁寧に描いています。
そして、彼や「キングスマン」を支える“無敵の世話役ポリー”を演じたジェマ・アータートンは、影のヒロインのようで、隠れた魅力を放っています。
“本格的な戦争映画”をベースにした大胆で面白い試みの作品でした。
エンドロールの際にも映像はあるので注意しましょう。

コメントする (0件)
共感した! 60件)
細野真宏

3.5 男女関係が全く描かれない007系映画が作られる時代になった

2026年1月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

興奮

驚く

ロンドンはサヴィル・ロウの一角にひっそりと佇む老舗高級テーラーを隠れ蓑にして、どこの国にも属さずに世界平和のために悪と戦い続ける秘密組織キングスマンの誕生秘話。

キングスマン・シリーズはいわゆる007系映画の系譜に連なっているのだけど、本家007がとっくの昔に捨て去ってしまったオタクっぽい遊び心に満ち溢れていて、そういうのが大好きな自分のような人間を狂喜させてくれたシリーズである。

だいたい、今でこそ007もダニエル・クレイグを起用して大人の鑑賞に耐えうるシリアスなアクションシリーズに脱皮を遂げたけれど、かつての007は本国イギリスでもオタクが観る映画という扱いだった(らしい)のである。

確かに我々オタクたちは007シリーズに登場する、世界の裏側で暗躍する悪の秘密組織とか、特殊機能が満載のボンドカーとか、男の子魂をくすぐるスパイガジェットの数々なんかに胸をときめかせたものである。
そして、中でもとりわけ胸をときめかせたのがお色気ムンムン(死語)のボンドガールたちに対してであったことは認めざるを得ない(笑)。

どシリアスなダニエル・クレイグ版からは想像もできないけれど、20世紀のジェームズ・ボンドはボンドガールを取っ替え引っ替えしては彼女たちとイチャついていたのである。

しかし、21世紀になって女性を取っ替え引っ替えするようなキャラクターはアウトとなり、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドは一途な愛を貫く男へと変貌を遂げ、007シリーズも女性観客から受け入れられるようになった。

そういう時代の流れと無縁ではないであろう、本作はついに、と言うかなんと言うか、男女関係というものが全く描かれない007系映画になってしまった。

ポリーという女性エージェントは登場するのだけど、彼女は完全に男と対等か、それ以上に優秀なエージェントであってヒーローの添え物でもお色気担当でもない。
なんとなくプラトニックな雰囲気は漂わせるものの、本作において男と女のロマンスは一切描かれない。

東西両陣営を手玉に取って世界を裏から操ろうとする悪の秘密組織という、20世紀の007を彷彿とさせるような組織が登場するにも関わらずボンドガール的な存在は一切登場しない。

ボンドガールに胸をときめかせたオタクとしてはやっぱりちょっとさびしい(笑)。
でも、これはこれでいいのだと思う。

悪の組織の親玉を倒して任務を達成した007がそのままボンドガールとベッドイン、みたいなエンディングは20世紀の007シリーズでは結構あったけど、ああいうのはさすがにオタクの自分でもアホらしいと感じざるを得なかった(笑)。

まあ、一作目の『キングスマン』もちょっとそういうエンディングだったのだけど、あれはかつての007的なエンディングをパロディ化して皮肉っていたとも言える。
ただ、『オースティン・パワーズ』のようなコメディ映画が完全に007を茶化していたのに対して、キングスマン・シリーズは傑作『キック・アス』を監督したマシュー・ヴォーンが全作を手がけているだけのことはあり、単なるパロディや亜流ではなく彼なりの007を描こうという意気込みが伝わってくる。

特筆すべきなのが、本作において大英帝国が血塗られた謀略によって列強諸国の中でのし上がり、結果的に国民を戦場に駆り立てて苦しめてきたということに言及している点である。
自国の帝国主義にウンザリしたレイフ・ファインズ演じるオックスフォード公は国家権力に見切りをつけ、どこの国にも属さない秘密の組織を作ることを決意するのである。

イギリス・アメリカ合作映画であり、たくさんのイギリス人が観るであろう本作の中でイギリスの歴史的立場を批判するというのはなかなか勇気がいることだと思うけれど、マシュー・ヴォーンは敢えてやってのけた。

ただ、マシュー・ヴォーンは国を愛し国に殉じた人たちを決して否定してはいない。
むしろ彼らのことを称えつつも、彼らの尊い犠牲の上にあぐらをかいている欺瞞と謀略だらけの国家権力に対してNOを突きつけている。

前二作よりも国家権力に対して批判的である点で本作は画期的なスパイ・アクション映画と言っていい。言っていいのだけど…残念なから前二作よりいささかパワーダウンしてしまったという感は否めない。

第一次世界大戦前後のヨーロッパを動かしてきたイギリス国王ジョージ5世、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世、ロシア皇帝ニコライ2世など、錚々たるメンツが登場するのだけどトム、ホランダーが演じる三人のキャラクターが軽いのでヨーロッパの危機とか言ってもいまいち緊張感が出ない。

東西両陣営を手玉に取る悪の秘密組織も、なんだか主要メンバー数人だけでゴチャゴチャやってる感じで、とてもそんな世界規模の組織に見えない。

考えてみれば傑作『キック・アス』も詰まるところは街のギャングと自警団気取りの人間たちの潰し合いだった。
一作目の『キングスマン』も自分にとって一番印象的だったのはコリン・ファース演じるハリーと街の不良グループがパブで戦うシーンである。

マシュー・ヴォーンが待っている醒めたストリート感覚が激動のヨーロッパ史みたいな壮大な物語を描くときはちょっと邪魔になってしまったということは言えるかもしれない。

あと、レイフ・ファインズ頑張りすぎ(笑)!
自分も中高年なので中高年が活躍する映画は大いに勇気づけられるのだけど、本作に関してはアンタが頑張るのかよ!と思わずツッコんでしまった。

予告編を見たときにラスボスとしか思えないほどの悪のオーラを放っていた怪僧ラスプーチンのキャラクターと、コサックダンス風の死のダンスバトルがすごく良かったので⭐︎半分プラス。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
盟吉津堂

「キングスマン」シリーズ関連作品