太陽の坐る場所

劇場公開日:2014年10月4日

太陽の坐る場所

解説・あらすじ

映画化もされた「ツナグ」や直木賞を受賞した「鍵のない夢を見る」などで知られる人気作家・辻村深月の同名ミステリー小説を、水川あさみと木村文乃の主演で映画化。高校時代、学校中の人気を集め、クラスの女王として君臨していた響子と、そんな彼女の傍らにひっそりと寄り添っていた、同じ名前を持つクラスメイトの今日子。しかし、ある日をきっかけに2人の立場は逆転する。高校卒業から10年後、響子は地元地方局のアナウンサーとして満たされない毎日を過ごし、今日子は東京で人気女優として活躍していた。そんな2人が同窓会で再会を果たし、10年前の真実が明らかになっていく。「ストロベリーショートケイクス」「スイートリトルライズ」など、女性の内面を繊細に描くことに定評のある矢崎仁司監督がメガホンをとった。

2014年製作/102分/G/日本
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2014年10月4日

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(C)2014「太陽の坐る場所」製作委員会

映画レビュー

5.0 山梨放送開局60周年記念作品として成功

2026年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

太陽の坐る場所

――動けなくなったままの「本心」について

2014年制作。山梨放送開局60周年記念作品として作られた本作は、同名ミステリー小説を原作としている。だがこの映画が扱っているのは、謎解きとしての事件ではない。むしろ、言葉にできないまま心の奥に沈殿した「過去」を、ミステリーという形式でそっと置いた作品だ。

邦画がようやく手探りの時代を抜け出し、“説明しすぎないこと”を信じ始めた頃の空気が、この作品にはある。余白に漂うのは、恐怖ではなく、罪悪感と後悔だ。

主人公・高間響子だけが闇を抱えているわけではない。積極的に同窓会の幹事を引き受け続ける島津、軽やかに振る舞う吉田、気まぐれな関係を生きるユキ。誰もが、それぞれの場所で「言えなかった本心」を抱えている。

これは群像劇だ。だがその群像の正体は、「私たち自身」だ。

若さと危うさが同居する高校時代。当時の自分を思い出すとき、人はしばしば懐かしさと同時に、拭えない罪悪感を覚える。この作品は、その感情を“ミステリー”として提示する。だから観る側は、犯人ではなく、「自分の中に残っている謎」に向き合うことになる。

響子は、確かに清瀬のことを好きだった。だが彼から突き放される。「君は意地になっているだけだ」

この言葉が、彼女の時間を止めた。フラれたという事実以上に、自分の本心が否定されたこと。それが、女王の座からの陥落を意味していた。

彼女はそれを受け入れた。だが、自分が何を本当に望んでいたのかは、その後もずっと分からないままだった。

クラスの女王。その立場を失うことへの恐れ。だからこそ響子は、「どうすれば転落するのか」というアンテナだけを張り続けていた。

女子をまとめることはできた。だが、男子の心までは操れなかった。そして、恋をした。

誰もが経験する、ごく普通の高校生活。だが響子は、その「普通」を許せなかった。だから抗わず、足掻かず、なるがままに卒業した。

残ったのは、清瀬の言った「意地」という言葉と、自分の本心がどこにあったのかという問いだけだった。

響子は、鈴ちゃんと呼んでいた今日子から、名前を奪っていた。それは無意識の支配だったのかもしれない。

その名前が返されたとき、今日子は自由になった。

体育倉庫、花瓶、告白。どれも些細な出来事だ。だが、そうした小さな積み重ねが、人の心の奥に深く刻まれる。

「自分の本心を言うことで、誰かに妬まれる世界にはいたくない」その感覚を持っていた今日子は、名前を取り戻し、自由になって、やがて女優になった。

最大のミステリーは、なぜ今日子が、響子の本心を知っていたのかという点だ。

だが、高校生の本心など、本当は隠し通せるものではない。いつも一緒にいた二人の“きょうこ”だからこそ、見えていたのだ。

そして今日子は知っていた。響子が、今でもあの場所から動けていないことを。

体育倉庫に閉じこもったあの日から、「太陽は私じゃない」「陽の当たる場所にいてはいけない」そう言い聞かせてきた響子。

27個のトンネル。抜けられないままの人生。

同窓会という偶然が重なり、今日子は腹を決める。「会いたい人もいないし、会いたくない人もいない。でも、会って話したい人はいる」

彼女にとって響子は過去だ。だが、止まってしまった人に、「動けない理由」を伝えられるのは、おそらく自分だけだと知っていた。

体育倉庫での再会。そしてかけられる言葉。「陽の当たる場所に出たければ、出てもいい」

答えは示されない。その先は、余白に置かれる。

この物語は、響子が主人公でありながら、誰一人、単純なキャラクターはいない。島津の「いい人」という仮面、ユキの気まぐれ、ミチコの沈黙、吉田の凡庸さ。

問題を抱え、葛藤し、答えが出ないまま時間だけが過ぎていく。それでももう一度、その場所に立とうとした響子の物語だ。

山梨放送開局60周年という節目に作られた本作は、派手さはないが、静かに心を掴んで離さない。

太陽は、坐っているだけだ。そこに立つかどうかは、自分で決めていい。

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R41

2.0 アマテラスと変態男

2025年5月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

 手塚治虫の『火の鳥』くらいの知識しかない者が言うのもなんだが、日本神話マニアから見たらどのように映るのだろうか。校庭での皆既日食観察会の風景とか、体育館倉庫での天岩戸もどきの閉じこもりだとか、伏線では太陽ののような女王を示しているけど、そうした伏線以外に面白味がない作品でした。水川あさみ演ずる高間という苗字も高天原から取ったものだろう。原作は多分面白いのだろうけど・・・

 美人女優二人の競演は興味深いけど、それほど対立はしていない。しかも、体育館倉庫に閉じ込めた女生徒が死んでしまったことも事件性が取り沙汰されてないし、心の闇にも迫ってない。う~ん、何だったのだろう?

 様々なサブストーリーもノスタルジックに描かれるだけ。それぞれの罪悪感という点では三浦貴大がゆきちゃんのスカートを盗んでしまって10年間大切にしてたという変態ぶりだけが記憶に残る。そんな変態なのに銀行員をやったり積極的な同窓会幹事も務めるという特異なキャラ。そんな変態男の前でも平気で着替える無神経なゆきちゃんも変態だと思う。

 で、ラストは何?実はこっそり友情を育んでいたとか?木村文乃(りんちゃん→キョウコ)と反社になったと噂されていた清瀬くんとの関係も分からずじまい。歯切れの悪い山梨弁とともに不完全燃焼でした。

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kossy

4.0 タイトルなし(ネタバレ)

2024年9月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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ティム2

1.0 面白さを希釈しちゃってたんだろうなって作品

2024年6月9日
スマートフォンから投稿

単純

必要以上に説明的に、必要以上に簡単にしちゃったんだろうなって思います。

原作を読んでないんのですが、逆にこの映画通りなら映画化しないだろって感じです。
人間模様を丁寧に描いた、叙述トリックの巧みな原作なんだろうけど、この映画にそれは現れておらず、
オチはオチないし、表現すべきところを表現しきれてない感があります。

これから原作読み直すにしてもおもしろさ半減しちゃってるしなぁ…ひどいひどい…
あとカメラワークもダサい…と思う。

木村文乃はかわいいので好きです。(?)

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サイバー