夜歩く男

劇場公開日:1952年4月24日

解説

ロス・アンゼルス警察の犯罪記録に基づき、知能犯を追う警察の活動をセミ・ドキュメンタリー風に描いた活劇で、「高原の白馬」のブライアン・フォイの独立プロ1948年作品。製作はロバート・T・ケーンで、クレーン・ウィルバー(「キャニオン・シティ」)とジョン・C・ヒギンス(「Tメン」)の共同オリジナル脚本を、ハリウッド古参アルフレッド・ワーカー(「魔城脱走記」)が監督した。撮影はジョン・アルトン(「巴里のアメリカ人」)、音楽はレオニード・ラーブの担当。主演は劇壇出身のリチャード・ベースハート(「ロザンナ・マッコイ」)とスコット・ブラディ(「キャニオン・シティ」未輸入)で以下ロイ・ロバーツ、ウィット・ビッセル、ジム・カードウェルらが助演。

1948年製作/アメリカ
原題または英題:He Walked by Night
配給:松竹洋画部
劇場公開日:1952年4月24日

あらすじ

ロス・アンゼルス警察の殺人犯係マーティ・ブレナン(スコット・ブラディ)とチャック・ジョーンズ(ジム・カードウェル)は、最近手口を残さぬ殺人事件に悩まされていた。ある時偶然窃盗罪でモーガン(リチャード・ベースハート)という男が捕らえられたが、彼はチャックを傷つけて逃走した。更に犯人は金に窮して強盗をはじめ、その巧妙な手口に警察はただ手を束ねるばかりだった。入院していたチャックは、モーガンの犯行方法を聞いて、元警察に関係していた人間だと推理し、それにしたがってマーティはロス・アンゼルスの各警察にモーガンの似顔絵をまわした。やがて近郊の一警察から彼が元署員であったという報告が届き、モーガンの写真が全市に貼られた。それを見たある郵便屋が自分の受持ち地区に住む男がそっくりだと通報、警官隊はその家を取り囲んだ。モーガンは追ってに気付き、下水溝の中へ飛び込んだ。かくて全市の警察は下水のあらゆる出口を塞ぎ、マーティを先頭に一隊は下水道の中へ犯人を追って、遂に催涙ガスと銃弾により、兇悪犯モーガンを射ちたおした。

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映画レビュー

3.5 夜歩く男

2026年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

いやあ、アルフレッド・ワーカー監督作品ってことですが・・・これって完全にアンソニー・マン監督作品のフィルム・ノワールじゃないですか、間違いなく!
「T-Men (Tメン) ('47)」、「Raw Deal (ひどい仕打ち) ('48)」にソックリなのだ。もちろん撮影監督は両作品と同じジョン・オルトンです。
もう全編がオルトン・タッチの真の闇に満ちていて、しかも当然の如く、「90%の闇の中に、常に一方向だけから10%の強烈な光が差して来るショット」の連続なのだ。
これはジョセフ・H・ルイス監督の傑作B級フィルム・ノワール「暴力団 ('55)」で観たあの画面作りと同じではないか。
この特異な照明効果に併せて、大半は強烈な仰角アングルで絶えず天井が画面に映し出されている異様さだ。
超低予算のロケとセットでは無い実際の家屋の室内で撮ったとしか思えないシーンばかりなのに、何故これほどまでに緊張感に溢れた奥行きのある画になるのだろうか?
やはりアメリカ映画史上に残る魔術師の名が相応しい名撮影監督だ。
さて内容の方も、前半がナレーション仕立てで進行する典型的なセミ・ドキュメンタリー・タッチのフィルム・ノワールなんですが、僅か79分の上映時間の中で、無駄無くピリッと纏められており、実に見事だ。
巻頭、5分後には夜のロサンゼルスである警官が殺害され、一瞬にして観客に犯人が提示される。ロス警察を挙げての一大捜査が開始され、以後は警察側と知的で大胆且つ凶悪だが、同時に繊細な小心者でもある犯人(リチャード・ベースハート)との駆引きを緊張感を維持しつつ見せてくれる。
大都市ロサンゼルスの舗道に対して、網の目の如く張り巡らされた無数の地下道。これを巧妙に利用した犯罪者と追う警察側との死闘が3次元的な(アンソニー・マン的な)スペクタクルへと昇華していく。
ラストは「第三の男 ('49)」の逆光の地下道シーンを彷彿とさせると言うか、それよりも遥かにパワーアップされた地下道でのクライマックスになるのだ。地下道を流れる水の流れ、滴り落ちる無数の雫が魔術師ジョン・オルトンによる強烈な逆光の照明に照らされ、巨大な影とのコントラストを形造り、観た者にとって決して忘れられない印象的なラストシーンに至るのだ。

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ナオイリ

4.5 古い映画だが、おもしろい。

2022年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

少しずつ犯人が追い詰められていく様子がドキュメンタリータッチに描写され、興味深い。
昔のアメリカの雰囲気やアメ車がいい味を出していて、上質なフィルムノワールに仕上がっている。
最後の下水道での銃撃戦は見もの。短い映画ですがとっても楽しめました。

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