僕のスウィングのレビュー・感想・評価
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もうライブ映像です
『ガッジョ・ディーロ(1997)』では、ルーマニアのロマ音楽を聴かせ、
『ベンゴ(2000)』では、アンダルシア地方在住のロマ音楽を聴かせ、
『僕のスウィング』では、フランス郊外のトレーラーハウスに住むロマを題材にした本作。
もちろん、トニー監督は物語性を深くみせようとはしません、
というのも、物語は彼がカメラで撮影する「音楽」にすでに含まれているからです。
【映画の見どころ】
演奏者たちがトレーラーハウスにギュウギュウに集まり、
「黒い瞳(Les Yeux Noirs)」を演奏するシーン。
トレーラーの窓外から車内をうかがう男の恍惚感がたまりません。
小さな恋のメロディとナチの迫害
冒頭のギター演奏でノックアウト。ジャンゴ・ラインハルトを彷彿させるミラルダのテクニックに見とれてしまった。ジプシー音楽も様々あるが、民謡とジャズを融合した独特のマヌーシュ・スウィングはジャズファンにはたまらない音楽だ。圧巻はトレーラーハウスの中で20名くらいのミュージシャン達が演奏するシーンと、ラスト近くの女性コーラスを含んだイスラム風音楽との融合作品だろう。ストーリーとは直接関係がないように演奏されているのが好感度大。
ストーリー的には小さな恋のメロディのような少年時代のひと夏の思い出であるかのような流れではあるが、要所にナチの迫害や民族差別の風刺が込められている。少年がロマ(ジプシー)地区に足を踏み入れて、偏見のない純粋な想いでギターレッスンや淡い恋心を抱くところには心うたれます。説明的なところが全くないのでアート風な作りにも思えるが、想像力をかきたてられる分観客にはそれぞれの想いをプレゼントしてくれる。ラストシーンでのスウィングがミラルダの靴を履いていたのも感動的だ。
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