ブリガドーン

劇場公開日:1954年12月24日

解説

「バンド・ワゴン」のアーサー・フリードが1954年に製作したシネマスコープ・ミュージカル。スコットランドの伝説に取材したアラン・ジェイ・ラーナー(「巴里のアメリカ人」)のミュージカル・プレイーフレデリック・ロー作曲ーはブロードウェイで581回連続公演の記録を持つもので、これをラーナーが映画用に脚色し、「バンド・ワゴン」のヴィンセント・ミネリが監督に当った。振付と主演は「バンド・ワゴン」のジーン・ケリーである。アンスコカラー色彩撮影は「ジュリアス・シーザー(1953)」のジョゼフ・ルッテンバーグ、音楽監督はジョニー・グリーン。「第8ジェット戦闘機隊」のヴァン・ジョンソン、「君知るや南の国」のシド・チャリシーがジーン・ケリーに共演し、ほか、「悪人と美女」のエレイン・スチュワート、「ディミトリアスと闘士」のバリー・ジョーンズ、「バンド・ワゴン」のヒュー・レイング、舞台で同じ役を演じたヴァージニア・ボスラー、ジミー・トンプソンなどが出演する。作品中の曲名は、Heather on the Hill I'll Go Home with Bonnie Jean Waitin' for my Dearie Almost Like Being in Love There But for you Go I The Wedding Dance Brigadoon Down on MacConnachy Squareなど。

1954年製作/アメリカ
原題または英題:Brigadoon
配給:MGM映画会社
劇場公開日:1954年12月24日

あらすじ

ブリガドゥーンとは、100年にたった1度、スコットランドの高原に現れる不思議な村。狩にやって来たニューヨーク子のトミー(ジーン・ケリー)とジェフ(ヴァン・ジョンソン)はスコットランドの高原で道に迷い、一夜を明かすとこの村を見たのだ。村はちょうど村娘ジーンと若者チャーリーの結婚式で賑っていた。トミーはジーンの姉娘フィオナ(シド・チャリシー)の美しさに打たれた。そして妹のために花を摘みに出かける彼女に同行して楽しいひとときを過ごした。やがて結婚式がめでたく取り行われたが、ジーンに失恋した若者ハリーが失望のあまり村を出るといったため、村人は恐怖の底におちた。村人の誰かが1歩境界を出たら、村は永久に霧の中に消え、2度とこの世に目ざめることがなくなってしまうからであった。村人は夕闇をついてハリーを探したが見つからず、一同は不安と焦躁にかりたてられた。トミーとジェフも同行していたが、鳥を狙って射ったジェフの弾がそれて、木の上に隠れていたハリーに命中した。息子の死を悲しむ父の嘆きのうちにも、一同は安堵の胸を撫で下ろした。ブリガドゥーンに許された1日も残り少なくなり、トミーはこの村に止まりたい思いをこらえて霧の中に消え去るフィオナを見送った。しかし、華かなニューヨークも、許婚ジェインの美貌も、トミーの心からブリガドゥーンを消してはくれなかった。トミーはジェフを誘ってふたたびスコットランドの高原を訪れた。そして村のあった谷間にじっと目をこらしていると、不思議にもなつかしい村の灯が浮かび上がって来た。トミーが村境の石橋を渡って走りこむと、そこにはフィオナが待ちかまえていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第27回 アカデミー賞(1955年)

ノミネート

衣装デザイン賞(カラー) アイリーン・シャラフ
美術賞(カラー)  
音響録音賞  
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映画レビュー

3.5 ブリガドーン

2026年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

MGMでアーサー・フリードが製作し、ジーン・ケリー主演、ヴィンセント・ミネリ監督という超一級のスタッフ、キャストによる大作だったにもかかわらず、巨額の製作費に対して興行収入が追いつかず、所謂赤字だったことで、公開当時から失敗作の烙印を押されてしまい、「ザッツ・エンタテインメント ('74)」及び「ザッツ・エンタテイメント PART2 ('76)」でも紹介されなかったというかなり不幸なミュージカル・ファンタジーだ。
TVでもまったく観る機会が無かったことから、1983年当時、渋谷の東邦生命ビル(現渋谷クロスタワー)に有った「すみや渋谷店」で、米国輸入版のVHSを購入してしまった映画だ。
この「ブリガドーン」の輸入版ビデオソフトに手を出す直前に、同様に「すみや渋谷店」で購入したのが、同じくアーサー・フリード製作、ジーン・ケリー主演、ヴィンセント・ミネリ監督で、ジュディ・ガーランドが共演した傑作ミュージカルコメディの「踊る海賊 ('48米=MGM)」だった。こちらはコール・ポーターの名曲に載せてのケリーのダンスやガーランドの歌が素晴らしいのは当然のこと、映画に登場するカリブ海の町並みや海岸沿いの舞台を、すべてMGMのスタジオ内に再現してロケ撮影なしという点では、「ブリガドーン」同様にヴィンセント・ミネリならでは、こだわりと美学に彩られた作品だった。この映画が撮られた1948年は、MGMミュージカルの絶頂期の始まりといった時期であり、トロピカルで派手な衣装、豪華な美術や装置が、贅沢な3原色式テクニカラーでより一層映えていたこともあって、すっかり魅了されてしまった。
当然、「ブリガドーン」にも期待していたのだが、この映画が製作されたのは1954年である。MGMミュージカルが、「巴里のアメリカ人 ('51)」、「雨に唄えば ('52)」、「バンド・ワゴン ('53)」で、既に頂点に達した後の作品であり、且つTVの台頭による映画館の観客動員数の激減に対抗する為に登場したワイドスクリーン(シネマスコープ)と4chのステレオフォニックサウンド仕様だ。コスト削減の為、従来の3原色式のテクニカラーは採用されず、安価なアンスコカラー(所謂イーストマンカラープロセスによるもので、後の呼称はメトロカラーとなる)だったのだが、このテクニカル・スペックの差が大きいのである。ミュージカル映画なので、ステレオ録音については嬉しい限りなのだが、初期のシネマスコープのピントの甘さ、粒子の粗さ、そしてテクニカラーではないことによる色彩感の欠如がどうにも気になってしまった。
現在のワイドサイズの液晶TVやモニターで、オリジナルのスクリーンサイズによるデジタルリマスター化されたDVD、Blu-rayで、5.1chのDOLBY DIGITALで観ればまだしも、当時のスタンダードサイズのTVで、画面の左右を大幅にトリミングされ、テクニカラーとは違いプリントの脱色が激しいイーストマンカラープロセスの映画を、解像度の低いVHSテープで、しかもモノラルで観たのだから、正しい評価など出来る筈がない。
「ブリガドーン」の様なシネマスコープサイズの映画については、劇場公開以降の過去のTV放映や初期のビデオソフトにより、長年、不当な扱いを受け、正しい評価がされ難い損な仕様だったことは間違いない。
「ブリガドーン」が再評価されることになったキッカケは、「ザッツ・エンタテイメント PART3 ('94米=MGM)」にて、シド・チャリースが映画本編で使われたスコットランドの丘が描かれた巨大な背景幕をバックに、この映画におけるジーン・ケリーとの懐かしい想い出を語り、続いて二人による素晴らしいダンスナンバー "The Heather on the Hill"のシーンが紹介されたことだろうか?ほぼ同時期にはデジタルリマスター化された素材をオリジナルのシネマスコープサイズで収録した米国輸入盤LDが発売され、後に日本国内版のDVDになり、現在では米国輸入版のBlu-rayも購入可能である。個人的には、ケリーが背後に尾根が見える斜面になっている美しい丘のセットで、歌い踊るソロナンバーの"Almost Like Being in Love"が好きである。ミュージカルナンバーの曲目数は少ないながらも、「マイ・フェア・レディ」の作詞/アラン・ジェイ・ラーナー、作曲/フレデリック・ロウによるものなので、やはり素晴らしい。

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ナオイリ

4.5 100年に一度出現する村。

2022年3月13日
PCから投稿

ファンタジーミュージカル。
ジーン・ケリーとシド・チャリシーのダンスにはうっとり。
幻想的で美しくラストまで十分楽しめた。

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miharyi

3.0  ジェフも欲のない男なのか、それともそんなに鴨撃ち(字幕では雷鳥)...

2018年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ジェフも欲のない男なのか、それともそんなに鴨撃ち(字幕では雷鳥)がよほど好きなのか、幻想の世界だと思えばアバンチュールを楽しめるのに・・・男が少ないから尽くしてくれる女なんてそうそういない。

 大人の童話といった雰囲気だったけど、振られたばかりのトミーだったから真剣な恋愛にのめり込んでいったんだろうなぁ・・・

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kossy