大いなる遺産(1946)

劇場公開日:1949年1月29日

解説

「逢びき」に次いでデイヴィッド・リーンが監督したシネギルド作品で、チャールズ・ディケンズの小説を、監督リーン、製作者ロナルド・ニーム及びアンソニー・ハヴェロック・アラン、ケイ・ウォルシュ、セシル・マッギヴァンが協力脚色した。キャメラはガイ・グリーンが監督し、音楽はウォルター・ゴーアが作編曲し彼自ら指揮してナショナル・シンフォニー・オーケストラが演奏している。主演者は「ウォタルー街」のジョン・ミルズ、「フランケンシュタインの花嫁」のヴァレリー・ホブソンで、夫々の少年時代をアンソニー・ウェイジャーと「ハムレット(1947)」のジーン・シモンズが勤め、バーナード・マイルス、フランシス・L・サリヴァン、「渦巻」のフィンレイ・カリー、「妖婦」のマーティタ・ハント、「ヘンリー五世(1945)」のフリーダ・ジャクソン等が共演している。

1946年製作/イギリス
原題または英題:The Great Expectations
劇場公開日:1949年1月29日

あらすじ

一八一七年の冬、テムズ河口に近い沼地で、ピップ少年は続けさまに父と母とを失い、姉とその夫ジョオ・ガージェリイに養われていた。ある夕、ピップは程近い墓に詣でたところ、恐しい脱獄囚に捕えられ、翌早朝、食物を持って来いと、脅かし半分に頼まれた。ピップはその約束を果したが、脱獄囚は密告者と争っている時に追手の兵隊に捕えられた。ピップはジョオと共に逮捕される所を見たが、その囚人は彼に感謝している様子であった。その後、ピップは近くの大邸宅に住んでいる狂女といううわさのあるハヴィシャム嬢から遊び相手として呼ばれた。そこには彼と同年の養女エステラという美少女がいて、彼を案内した。誇り高く彼を見下していることは分ったが、少年ながら一目見てピップは彼女に心ひかれた。ハヴィシャム嬢はカーテンを下した真暗な客間の中に、ローソクをつけてすわっていた。あたりは白いほこりが一ぱい積り、くもの巣が張っていた。毎週一回、彼はエステラを見るのが楽しみで通ったが、満十四の誕生日が来て、この訪問を止めなければならなかった。義兄のジョオに鍛冶屋の弟子となり働き始めたからである。かくて六年が過ぎ、ピップが二十歳になった時、ロンドンからジャガースという弁護士が訪ねて来て、彼が大きな財産の相続人に指定されたこと、ロンドンに出て紳士となると、贈り主はだれであるか将来その人自身現われるまで問わぬこと、ピップという名を絶対に変えぬこと等を告げた。ピップは承諾し、ロンドンへ赴き、ハーバート・ポケットという青年と同宿した。彼には六年前、ハヴィシャム嬢の邸で会ったことを想い出し、奇遇を喜んだ。ピップは有り余る生活費を支給され、紳士修業を残らずしたが、精神的に紳士となるには至らず、成り上り者気質を捨て切れない自分自身を認めないわけにはゆかなかった。そのころ、フランスで教育を受けたエステラがロンドンに現われ、彼女に再会したピップの思慕の情はあらためて燃え上ったが、エステラは名のある男を片端から征服するのだというのだった。その一夜、片眼に黒い布をした老人が訪れて来た。マグウィッチというのが老人の名であった。少年の日、彼が食物を与えた脱獄囚であった。ピップを相続人に指定し紳士にした慈善家であった。彼はオーストラリアで、羊で大もうけをしたのであるが、英国に帰ればお尋ね者の身の上であった。彼がピップとの再会を喜んだのも束の間例の密告者が彼の帰国をかぎつけたので、ピップはハーバートの助けで、マグウィッチをライムハウスに身を隠させた。彼は、マグウィッチの亡命に同伴しようと決心し、ハヴィシャム嬢を訪れると、エステラも来ていて、ドランムルという紳士と結婚するというのだった。別れ去ろうとした時、ハヴィシャム嬢のすそに、だん炉の火がついて無惨に焼け死んだ。好機を見てピップはマグウィッチをボートに乗せ、英仏連絡船を待ったが、密告者が警察ボートで現われた。マグウィッチは、密告者と河中に格闘し、密告者は連絡船の外輪に巻込まれて死んだ。マグウィッチは絞首刑を宣告されたが、病気で、苦しんでいる時、ピップが訪れ、彼が幼い時に別れた娘が美しく成人していること、その娘を自分が愛していることを告げると、マグウィッチは満足して息を引取った。心身の疲労で、ピップは熱病を患い、故郷のジョオの許で介抱され、意識を回復したのは丁度一カ月後であった。ピップが例の邸を訪れると、暗い客間にエステラが一人すわっていた。ドランムルが結婚を拒絶したので、義母と同じ心境に陥ったのであるが、ピップが彼女を愛し続けている気持に変りはなかった。彼はカーテンを引裂き、部屋中に満ちた陽光の中でエステラを抱いた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

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映画レビュー

3.0 かなり評価が難しい作品だと思った

2026年1月30日
PCから投稿
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KIDOLOHKEN

4.0 なんてたって原作

2025年3月10日
PCから投稿

もう、ストーリーが良い。
不思議な運命の糸に操られる人達のお話。
他にも何度かリメイクされているが、これが一番。
そしてデビット・リーンの演出。
やはり彼は歴史劇とか文学作品がいいのかな?
他のリーンの映画も大好き。

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ニューマン

4.0 映画の限界

2021年5月13日
スマートフォンから投稿

ディケンズって日本人の漱石や芥川みたいなもんで、英米人は読んだことなくても大体内容知ってるはず。何も知らない私には、前半の美輪さん何者?から後半のクライムミステリーへのサスペンス良し、ツンデレ娘なんかドMにはたまんないんでしょう。
クワイ河とかロレンス期待するとスベりますが、良くできた筋のお話を職人監督が手際よく処理した、できのいい前半ホームドラマ、後半サスペンスです。但し映画としては、です。これが映画の限界。世界的な小説に映画がかなうわけありません。

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越後屋

3.0 尻にしかれるピップ

2021年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 子供時代のエステラがジーン・シモンズ、そしてピップがアンソニー・ウェイジャー。彼女の演技が一番よかったような気もする。

 囚人に対する描き方はなかなかよかったし、偏見を持たない主人公の素直さにも共感できるものがある。ずっと独身を通す金持ちの女性の過去や、彼女が養女にしたエステラ。謎めいた設定であってもわかりやすい展開だ。

 結局、エステラは囚人の娘であったことが判明するのだけど、女王然とした高慢な態度は変わるのだろうか。ピップへの愛情もそれほど無さそうだったし、将来を考えると、尻にしかれるピップ像が浮かんでくる・・・。

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kossy