スティーヴ

配信開始日:2025年10月3日

解説・あらすじ

「オッペンハイマー」でアカデミー主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィが主演を務めたヒューマンドラマ。問題児を集めた寄宿学校を舞台に、校長スティーヴと生徒たちの人生を左右する緊迫の1日を、学校を取材しにきた撮影クルーによる映像を交えながら生々しく描き出す。

1990年代のイギリス。非行少年たちに最後のチャンスを与えるために設立された寄宿学校で、校長のスティーヴは次から次へと起こるトラブルに追われ、疲弊しきっていた。それでも少年たちに寄り添い彼らの未来を守ろうとするスティーヴだったが、実は彼自身もある問題を抱えていた。

キリアン・マーフィが自ら製作を手がけ、テレビドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」や映画「Small Things Like These(原題)」でもマーフィと組んだティム・ミーランツが監督を担当。イギリスの作家マックス・ポーターの小説「Shy」を原作に、ポーターが自ら脚本を手がけた。Netflixで2025年10月3日から配信。

2025年製作/93分/アイルランド・イギリス合作
原題または英題:Steve
配信:Netflix
配信開始日:2025年10月3日

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Netflix映画「スティーヴ」10月3日(金)独占配信

映画レビュー

3.5 今日に集中しよう

2026年1月19日
Androidアプリから投稿

キリアン・マーフィ ✕ ティム・ミーランツ =『決断するとき』(日本公開は逆)コンビがNetflixで手がけた本作は、メンタルヘルスと向き合った価値ある1作だ。
キリアン・マーフィは言わずもがな昔からいたけど、『ピーキー・ブラインダーズ』からの『オッペンハイマー』オスカー受賞により、A級からS級(=主演格スター)俳優になったことで、『28年後…』シリーズ然りより企画製作できる立場になって、こうしてメッセージ性が強く社会的に意義のある作品が生まれるようになったことが嬉しい。

まるで動物園。削減に次ぐ削減の波。1人あたり年間3万ポンドの税金がかけられているという、更生施設の要素を寄宿学校に入れた施設の1日。撮影隊のビデオカメラのテープと、主人公自身による声を吹き込むテープレコーダーのテープという、二重の記録媒体。そして、社会から拒絶される感覚。
スティーヴ、三つの言葉で自身を表してみて。インタビュー映像と交互に展開される強迫観念的な演出が時に現実離れした浮遊感ももたらすけど、それすら行き場のない傷ついた魂の困惑や彷徨いを表すようだし、何よりキリアン・マーフィの熱演が本作に痛切なほどの現実味をもたらしている。
自分のせい。自責の念に苛まれ続けて、痛みを麻痺させている、もがき苦しんでいる。人は自責の念から逃れることはできず、また向き合うことも困難をきわめる。そうやって行き場のない傷ついた魂たちに手を差し伸べ支え合いながら、立ち直ろうとするのを無神経にも刈り取る社会構造。
世界は他にある。無限の世界と可能性が広がっている。悲しみや絶望だけが待っているとは限らない。今日の悲しみが明日の喜びにつながるかもしれないし。だから狭い世界に閉じこもっている必要はないし、嘘でも世界は、人生はここから必ずよくなると伝えたい・信じたい。

Focus on today.
向き合う努力をしていないから

勝手に関連作品『ショートターム』

P.S. 最後に『トイ・ストーリー3』のアンディがそれぞれおもちゃについて話しながら渡していく号泣必至のシーンばりに、主人公スティーヴが一人ひとりについて吹き込んでいくシーンは、てっきり自死を選ぶのかと思ったけど、あのラストシーンだったらきっと違うよね?…と信じたい。観客ミスリード演出だと。

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とぽとぽ

3.0 主役は生徒から教師へ。

2025年11月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

嘘のような教育現場のリアルの凄まじさを表現する映像や先生葛藤や苦悩が終始積み重ねられる。舞台は非行少年が通う特殊な学校。ここにメディアが入り先生や生徒にインタビューを行う1日を捉えた作品。
原作は「シャイ」。当学校に通う、とある生徒の名前。スティーヴは教師としてシャイを気にかける。生徒と教師に原作から視点を変えたところに、面白さがあるのかもしれない。ラストのレコーダーの再生シーンにはグッとくる。
それにしても教育テーマで言えばアドレセンスを思い出すがNetflixの教育へのただならぬ想いを感じる。

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そろそろだな。

3.5 少年院待合室

2025年10月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

スティーブ(キリアン・マーフィ)は問題児が集まる学校の校長先生。
経営者が存続を諦め、閉鎖・売却を決めてしまう。
問題から逃げるために、クスリに頼るが、当然、逃げきれない。
直ぐにキレてしまう子供たちにはどうしたらいいのだろう。

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いやよセブン

4.0 21世紀のルドビコ治療

2025年10月11日
iPhoneアプリから投稿

驚きのトレイシー・ウルマン、
安定のエミリー・ワトソンらが体現する、

繊細なアンサンブルと、
ドキュメンタリーと劇映画をシームレスにする映像美学が素晴らしい。

非行や様々な問題を抱える少年たちのための実験的な学校、
スタントン・ウッド校。

ここは、社会の〈廃棄物〉とされる若者たちを受け入れ、
高額な処分場とマスコミに揶躇される過酷な現実が渦巻く場所だ。

同時に、古い教育の枠を超えた〈革新的で進歩的な教育の場〉として、
21世紀の〈ルドビコ治療〉を思わせるような、
極限的な試みがなされている。

キリアン・マーフィが演じるスティーヴは、
その荒れた環境の中で、
まるで金八先生のように、

生徒一人ひとりの内面と真正面から向き合い、
心を病みながらも希望を捨てない、
孤高の教育者像を体現している。

しかし、その描写は、

ケン・ローチ作品で彼が演じたような社会派の〈気高さ〉や、
ノーラン作品のような圧倒的な存在、

あるいは『ピーキー・ブラインダーズ』のような〈屈強さ〉
といった役柄とは一線を画す。

自己の脆弱性と葛藤を抱えながら生徒たちと向き合う〈危うさ〉こそが、
リアリティを生んでいる。

本作の際立つ特徴は、その映像表現にある。

手持ちカメラ、ドローン、ステディカム、
さらにはインタビュー映像など、
多岐にわたる撮影手法が混在しているにも関わらず、
全体として驚くほどのフィット感を生み出している。

この多様な映像言語を一つの世界観に統合するためには、
途方もない準備と緻密な計算が必要だったことは想像に難くない。

その結果、観客は、ドキュメンタリー的な生々しさと、
劇映画としての洗練された構図の両方を体験することになる。

そして、この映像の力は、
子どもも含めたキャストの繊細な芝居と相まって、

先生側の包容力、抑えられた感情の機微、
教育の困難さ、社会の矛盾、
そして人間の救済という重いテーマを扱いながらも、

映像と芝居の力で、
観客を一瞬たりとも飽きさせない密度の高い体験を提供する。

現代社会における倫理と希望の境界線を問い直す事を、
映像で表現した革新的な作品でもあるといえるだろう。

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蛇足軒妖瀬布

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