落下の王国

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劇場公開日:2008年9月6日

落下の王国

解説・あらすじ

「ザ・セル」で鮮烈なビジュアル世界を築いたターセム監督の長編監督第2作。撮影中の事故で脚を負傷し、恋人を主演俳優に奪われて人生に絶望したスタントマンのロイは、入院中の病院で知り合った無垢な少女アレクサンドリアに、薬剤室から自殺用の薬を取ってきてもらうおうと、彼女の気を引くために壮大な物語を語り始める。それは、暴君に立ち向かう6人の勇者たちの物語だった……。13の世界遺産を含む世界24カ国以上で4年がかりで撮影された美しいロケーションも見どころ。

2006年製作/118分/アメリカ
原題または英題:The Fall
配給:ムービーアイ
劇場公開日:2008年9月6日

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映画レビュー

4.5 ターセムと石岡の意匠が最もよく機能しあった傑作

2020年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

『ザ・セル』に比べて、本作はどこか優しく、「創造すること」の源泉に寄り添った一作だ。そこにはクリエイターとしてのターセムの内面が投影されているとみていい。「落ちる」という行為やベクトルには何が隠されているのか。本作はターセムの大きな失恋をきっかけに生まれたものと聞くが、それを映画黎明期におけるスタントマンのフィジカルな「落ちる」にまで広げていくイマジネーションに圧倒される。

物語内物語においてあれほど鮮烈な映像美を描き出そうとすれば、労力と手間暇だけでなく、もう一つの何か強烈で圧倒的な要素が必要となる。すなわち、この野心的な映像世界が成立するには石岡瑛子の衣装が不可欠だった。ターセム自身の力ではどうにもならない部分を、もう一つの「極」でもある石岡の意匠が引き立て、解き放ち、モノにしてくれたように思えてならない。その意味でも本作は二人のコンビネーションが最もよく機能した快作と言えるだろう。

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牛津厚信

3.5 落下の王国 4Kデジタルリマスター

2026年1月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

平日9時の回、17人。
20年近く前の作品にしては、健闘の入りですかね。
初公開当日、近所で観れる環境になくて見逃した作品です。
レンタルや配信では観ないので。
サイケな映像が紡ぐ、うらぶれて自殺願望の主人公と、その彼の嘘の物語に引き込まれる少女のお話。
ネタバレになるので、これ以上は書きませんが、良い小品でした。
ただ、王国を付け足した邦題にはガッカリでした。

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映画館難民

3.0 女に振られた男が幼女に必要とされて立ち上がる話

2026年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

正直「だからなんだ」と思った。映像だけではいかんなぁと思った。壮大な自慰。国宝と似たものを感じた。
これが今ウケてるのは日本人がロリコンなだけではないか、と疑っている。

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悠

4.0 これも映画讃歌の一本

2024年9月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
汝、落下を畏れるなかれ。
この美しき世界を仰ぎ見よ。

スタントマンであれば、ある意味「落下する」のは、当たり前ということで。
その点から『落下の王国』(原題はザ・フォール)とする本作の題名は、言い得て妙といったところだと思います。
乗り物や急な崖などから「落ちて、落ちて、落ちまくる」というのが、いわば「スタント」そのものというわけですから。

そのスタントマンのロイが、スタントに失敗して怪我をしてしまったのは、恋人(映画女優)に去られてしまったことで、その失意(文字どおりの「落ち込み」)の中で、鉄橋から飛び降りて走っている馬に乗り移るというスタントに失敗してしまったからの様子です。
(作中に、そんな会話があったようですし、実際、彼女は、今の彼氏の車で病院にまで来ているものの、下車しようとしていない。)

彼の自殺願望は、そんなところに胚胎していたようです。

しかし他面、自殺願望にすっかり憑依(ひょうい)されてしまっていると言いつつも。
一面では、ロイは、スタントマンとしての矜持は、捨ててはいなかったのではないかと、評論子には思えてなりません。
退院後のアレクサンドリアのお母さんの言によると、ロイは、その後も新作に、スタントマンとして出演し続けていたような様子でしたから。
勝手な思い込みかもは知れないのですけれども。
少なくとも…そう信じたいところです。評論子は。

アクション系の映画の製作には欠かすことのできなかったスタントマンにスポットを当てた一本として、これも映画に対する愛があふれる「映画讃歌」の一本として。

そして、ロイの作り話も、アレキサンドリアの切実な想いで変えられたように、最後の最後で「生きることへの希望」「生きようとすることへの渇望」が鮮やかに描かれていた点では、「素晴らしい」とも言えたと思います。
秀作であったと思います。
評論子は。

(追記)
作品の冒頭、ロイと会話するアレクサンドリアとロイの目に、ドアの鍵穴を通して、戸外にいる馬の映像が逆さまに壁に投影されます。
おおよそ100年前に、ルミエール兄弟が水を満たしたフラスコをレンズ代わりに初めて映画を投影したことへのオマージュというほどの製作意図だったのではないかと思います。

そんなところにも、本作の「映画讃歌」としてのパーツが埋め込まれていたのではないかと思える一本でもあったことを、申し添えておきたいと思います。

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talkie

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