■1951年、テキサスの小さな町・アナリーン。
町でたったひとつの映画館は若者たちが集まる場所で、高校生のサニーと親友・デュエーンにとっても、ガールフレンドとデートをする唯一の場所。
だが2人ともそれぞれの恋人とうまくいかず、閉塞感が募って行くのである。
◆感想
・高校生のサニーと親友・デュエーンが軸であるが、二人はガールフレンドとも上手くいかず、サニーは高校のコーチから見放された妻と、不倫関係に落ちるが、その妻はサニーと抱き合っても、涙を流すばかりである。
・映画館の主、サムはビリヤード場で突然死し、(そのシーンは描かれない。)サニーは恋人ジェイシーとベッドインしても、セックスが出来ない。
・更にはサニーは恋人ジェイシーと駆け落ちしようとしても、捜査願いが出ていたために警察に止められて、町を出れないのである。
ー まるで、筒井康隆の『ヒストレスヴィラからの脱出』のような、展開である。町を出ようとしても、どうしても閉塞したアナリーンを出れないサニーの姿。-
・時は流れ、サニーとデュエーンは久しぶりに再会する。デュエーンは翌日には朝鮮戦争に行くと言い、二人で且つて行っていた映画館で『赤い河』を見るのである。客は二人と、誰にも相手にされない純朴なビリーの三人だけである。
そして、デュエーンは戦争に行き(といっても、自由の地ではない。戦地である。)、ビリーはトラックに轢かれて死ぬのである。
・その後、サニーは久しぶりに人妻の家に行くが、彼女は”アンタはビリーとアタシを捨てたんだよ!今更何しに来た。”とコーヒーを入れている最中にヒステリックに叫ぶのである。
<今作は、閉塞感が充満したテキサスの小さな町に住む、複数男女のどこにも行けない鬱屈と諦めと倦怠感溢れる姿を描いたペシミズムムービーなのである。>