サンライズ

解説

「最後の人」「タルテュフ」「ファウスト」の監督者F・W・ムルナウ氏がフォックス入社第一回作品で、ドイツの劇作家ヘルマン・ズーデルマン氏の小説に基づき、「除夜の悲劇」「最後の人」等の脚色者として知名のカール・マイヤー氏が脚色の筆を揮つたものである。主演者は「三人水兵恋行脚」「雲晴れて愛は輝く」等出演のジョージ・オブライエン氏と「第七天国(1927)」「明け行く魂」等出演のジャネット・ゲイナー嬢との二人で、「アメリカ美人」「モガ地獄」等出演のマーガレット・リヴィングストン嬢も主要な役を努めている。その他、ジェー・ファレル・マクドナルド氏、アーサーハウスマン氏、ジェーン・ウィントン嬢などの人々が助演している。空前の芸術映画としてアメリカ批評家の絶賛を博したものである。

1928年製作/アメリカ
原題または英題:Sunrise

あらすじ

それは夏のことであった。入江の一方には避暑客で賑わっている都があった。他の一方には静かな村落があった。この村に都から女が来ていた。この女はある農夫を誘惑した。この男は優しい妻との間に子まである仲であったが、都の女に接してからはズルズルに引きづられて家財から牛まで売り払ってしまった。ついには女の勧めに従って妻を殺し、女と2人で都会へ逃げて行こうとまで思った。そして彼は妻をある日、都見物に誘い途中で舟を沈めて妻を亡き者にしようと計った。しかし、最後まで来ると夫はそれができなかった。妻は夫の恐ろしい態度におびえて逃げ出した。夫は妻を追った。そして2人は都へ出てしまった。やがて夫は昔の心を取り戻した。妻にも夫の真心が感じられた。そして2人は1日を楽しく都で過ごした。が、その帰りの夜、再び入江を舟で渡って来る時、急に大暴風雨が起こり夫の命限りの努力も効なく、舟は沈んで夫婦は別れ別れとなった。夫は村人の助けを得て湖上を隈なく探したが妻の姿は見出されなかった。都の女は夫が自分の勧めに従って妻を殺したものと喜んだが、夫は女を見ると憤りに燃えてそれを締め殺そうとした。時に、はからずも妻が助かった報せが来た。夫は急いで家へ戻って行った。そして翌朝に至るまで、妻の看護をしながら梅悟の涙に咽びつつ、真の愛を誓っていた。やがて暁の日の光りがこの村の上にさし初めた。2人はそれを眺めながら抱き合った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第1回 アカデミー賞(1928年)

受賞

独創的・芸術的作品賞  
女優賞 ジャネット・ゲイナー
撮影賞 チャールズ・ロシャー
撮影賞 カール・ストラス

ノミネート

美術賞 ロフス・グリーゼ
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映画レビュー

4.5 サンライズ

2026年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

トリュフォーの言うとおり、やっぱり「世界一美しい映画」だった!
知らない内に、泣いてましたよ。あれ、この映画終っちゃうんじゃないか?と思ったのが、始まって45分くらいの所。しかし終らない・・・
なるほどこの映画もフィルムノワールの原型みたいじゃないか?ハリウッドで撮ってしまった紛れもないドイツ表現主義映画であることを示した冒頭シーン・・・舞台は「哀愁の湖 ('45)」か或いは「陽のあたる場所 ('51)」(どちらの作品の湖畔での殺人シーンもこの映画のイメージが原型にあることはまず間違いあるまい)を彷彿とさせる田舎の湖畔を舞台にした薄暗い危ない世界から始まる。都会から来た女に誘惑され、唆されて、自分の妻(ジャネット・ゲイナー)を殺しかけたものの殺せなかった夫(ジョージ・バンクロフト)。そんな夫から逃げた彼女が、森の中を走り抜けて飛び乗ったのは、こんな湖畔の起伏ある斜面にイキナリそんな市電が走ってるのかと思うようなトローリー・・・彼女を追いかけて来た夫も飛び乗って・・・・・後は動かない二人の姿をじっと前景に捉えたまま、バックの風景だけが田舎から大都会へと延々と移り変わっていく。この尋常では無い天才ならではの強烈なイメージの連続にただただ圧倒されている内に、都会の喧騒の中で互いの絆を次第に再確認にし合う二人。ようやく己の過ちに気付いて懺悔する夫を許す妻・・・若いカップルの教会での結婚式の光景にたまたま出くわすシーンでは、劇的な頂点に達し・・・これもう終わっちやうんじゃないかって思っていると、またまたそこから唐突にタッチが変わって、今度は都会調のユーモアたっぷりの恋愛劇(正真正銘のアメリカ映画)に変貌していってしまう!・・・映画を観ているこちら側も主役の二人と共に束の間の幸福な大都会での夕べを共有するかのようにスッカリ心地良い気分に陥ってしまう程である。
いよいよ終わりかな?なるほど。また市電に乗って、それから夜の湖畔を静かにボートを漕いで渡りつつ、行きと帰りの全く同じ道程を、ここまでかって思う程に明暗異なるタッチで対比的に撮って、人生を照らし出す!ああ見事だなあ!!これで終わりだな!メデタシメデタシって安心していた矢先・・・今度は唐突に、暴風雨がやって来て大都会も湖上も共にパニック状態に陥ってしまい。
と言う訳で、二重三重四重五重の盛り沢山さで、余りにも異なるタッチのシーンが次々と折り重なり・・・フィルム・ノワール、恋愛劇、都会調コメディ、スペクタクル・・・そんなジャンルを逸脱した様々なイメージがどう言う訳か不思議と見事に共存しながら、連携し合い、誰もが納得し得る感動のラスト・シーンへと導びかれていく。結局のところ、圧倒され続け、僅か95分の上映時間の内の忘れようの無い強烈なイメージの数々は、もう映画とはこれ!!これ以上はその後の80年間にも及ぶ映画の歴史の中で、誰も何も成し得なかっただろう!と言わんばかりに、サイレント映画時代に既に完成し尽くされた映画の文法、文体、美学の全てを芸術とエンタテイメントの要素を強引にもゴチャマゼにしつつ、全てを炸裂させた永遠不滅の大傑作である。

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ナオイリ

4.5 映画製作の教科書

2025年9月15日
PCから投稿

アメリカ国立フィルム登録簿作品です。

カメラワーク、カット割り、モンタージュ、完璧な映画技法によって、サイレントに関わらず、映像が言葉以上に雄弁に語ります。

単純明快なストーリーを多彩、且つ卓越した技術でサスペンスでドラマチックな作品に仕立てた天才監督の手腕は特筆ものです。

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越後屋

5.0 サイレント映画の最高峰の一本‼️

2025年3月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

泣ける

興奮

幸せ

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活動写真愛好家

3.5 土地を売って都会に行こう

2024年11月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

都会の女性の存在感が興味深い。悪魔のような女というには人間的というか、あなたも孤独なんだねえと思う。殺人をけしかけるんでもちろん悪いやつなんだが。1920年代から、都会の女性の婚活問題というのはあったんだな、と思った。人手の確保か農地の地上げか、「農地を売って都会に行こう」という広告も新聞に載っていて、夫が掛かっていたのは恋の魔法か都会幻想という魔法か。/サイレント映画の心理描写はいろいろありうるのだと思うが、マンガ的(フキダシ的)映像で表現されるのが面白い。

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ouosou

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