大洪水
配信開始日:2025年12月19日
配信開始日:2025年12月19日
高層マンションに住むアンナ(キムダミ)と息子ジャインの母子家庭。目を覚ますと浸水していて脱出がはじまる。ジャイン君の甘えっ子描写や母子愛描写がうじうじ展開して疲れる。省いて先へすすんでくれてよかった。
このイライラは映画内の状況がつかめないからでもある。洪水と言っても世界が総てマンション内で、それがNSビルみたいな中抜け構造だから中空がプールになってしまっていて、そこを右往左往というか上へ下へしているだけで他の外界は一切見えない。そのように世界観がつかめない状況だから、わが子に対する母性とか亡くなった夫にたいする追慕とか、そういうものへ感情を移入することができない。加えてAI研究者であるアンナに──小惑星の衝突からの世界的洪水からの人類の絶望という意識高い系なストーリーが絡んでくる。アンナを救出に来たエージェントのヒジョ(パクヘス)も母親に捨てられたとか、悲哀自分語りをしたりするし、マンションには老夫婦とか妊婦とか派生悲哀につながる点景が散りばめられ、映画は終始、感動へ持っていきたいという野心と、SFチックなストーリーを語りたいという野心が同時にすすみ、結果どちらも半端になって、何やってんだという感じ。
およそ息子のジャインがなんらかの鍵をにぎっていて、映画内の話が掴み切れたわけではないのでSF的類型から想像するにかれは人類を滅亡から救う要人でありその意識をデジタルストレージデバイスに抽出されるのだが、アンナが溺愛する一人息子でもあることから、その両義に葛藤するたわごとが描かれる感じ。
ヒジョも撃たれてしまったし爆発がおこって、われわれのポカン化とは裏腹に映画内はかなり盛り上がっていく。
半尺で洪水シーンが終わって宇宙船内。アンナは宇宙服を着てどこかへ向かっている。と、思いきや、またマンションで寝ていてジャインが起こしにきた。いやジャイン君はもういいわ俺的に。ふたたび駄駄こねるジャイン君を連れて探して泳いで潜って・・・いちいちくいくい拡がるダミの鼻穴が魅力だった。(皮肉ではなく)
遅ればせながらループ要素が入っているのを察したが、そこらで少女ジスが登場しヒジョと略奪者から老夫婦を救ったもののジスは増水する中ハラボジのところに残るという感動悲哀シーンを足した。
ループ要素が入っているというよりループがシナリオコアで、アンナは無意識のなかでいくつもの別展開をするループを夢見ている(再現している)。
映画はもっさりでわかりにくいが話は悪くなかった。ところでさっきパラレル世界を語るSFアイデアの元祖はなにかとAIに聞いたらマレイラインスターの時の脇道だと教えてくれた。
映画は意識高くて疲れたが少なくとも日本映画のような自己顕示欲はないので腹は立たなかった。たとえば同じ話を日本映画がやると製作サイドの「おれすごくね」感が出る。日本映画がかならず表出させてしまうあれはいったいなんなんだろうね。
RottenTomatoes53%と35%、IMDB5.4。
大洪水というタイトル通り、大洪水から逃げるディザスターものパニック映画なのかと思いきや、SFでした。
しかもループもののようで、何が何なのかわかるようなわからないような。
うーん。母と子のお話しなんだろうけど、何で子供を探して見つけると良いのかとか、何がしたいんだこの映画、という感じは見終わるとまず思いました。
見てる間はどうなるんだろうという感じだけど、だんだん見るほどに?が増える作品でした。
服の番号も繰り返している数?なのか、この世界は何なのか、ゲームみたいないろんな場面をクリアしてフラグ回収みたいなよくわからない仕組みだったり。殺されたり殺したり、一体何と戦っているんだ?
子供が実はAIでした。主人公も実はAIでした。母親になるためにコンピュータ上で訓練してました。みたいな話?
母と子どもだけいて、人間の再生というのもどういうこと?普通に人間じゃダメなん?
題名とサムネイルからパニック映画かと思って観始めた作品。
しかし蓋を開けてみればSFヒューマンドラマで、キム・ダミと子役の子の演技が光る秀逸な作品だった。
とはいえ、クリストファー・ノーランを意識したような、時系列が前後する構成と主題、加えて韓国らしいサクサク展開が、難解な物語をより難解にさせてしまったのは否めない。
ただ、しっかりと情報を拾っていけば、どういう時系列で物語が進んでいるのか、そもそも何を描いた作品なのかというのは理解できる。
むしろノーラン作品に慣れている人であれば、難解にも感じないだろう。
まとめれば、感情を持ったAIを作り出すための実験(シミュレーション)を繰り返し、究極の状況を作り上げて「愛」という感情を芽生えさせるお話。
シミュレーション内容はさながらノアの方舟であり、その中でも感情を「水」に喩えて時に溢れ波打ち溺れる表現もあり、SFジャンルの物語ながらもかなり文学寄りの発想で面白く感じた。