救いたいのレビュー・感想・評価
全10件を表示
実は、深い深い夫婦愛の物語
…だったのではないかと思いました。
評論子は。本作を観終わって。
本作の作品解説は、例えば「麻酔科医として患者を懸命に守り、また地域医療に奔走する夫を支える女性を通し、東日本大震災からの復興に向けひたむきに生きる人々を描いたヒューマンドラマ」(MovieWalkerのウェブサイト)といったところが通り相場のようですけれども。
有能な麻酔科医である前に、妻でもあらなければならないのではないかと苦悩する隆子の苦悩を真正面から受け止めることができるのは、おそらくは(お互いが医師として)いま目の前にいる患者を「救いたい」という想いを共有しているからなのだろうと受け止
めました。評論子は。
その地方に勤務する医師の著作を原作本としている故か、東北(仙台)が舞台で、そして、そこを舞台に据えている故に、本作も3.11を抜きにしては語ることができないのかも知れませんけれども。
しかし、本作のレイシオ・デシデンダイ(裁判例で核心的な判示とされる事項=当該の裁判例のエッセンスとも言うべき部分)は3.11にあるのではなく、3.11という艱難辛苦を背景に浮き彫りになる、貞一・隆子の夫婦愛の厚さにあったたのだろうと思いました。
(飽くまでも「いちレヒュアー」としての、評論子の受け止めてとしては。
その意味では、観終わって、なかなか味わいの深い佳作だったと思います。
評論子は。
〈映画のことば〉
「いくら俺の女房だからといって、俺の女房の悪口を言う奴は許さんぞ。」
(追記)
それにしても、本作で光るのは、夫としての貞一の包容力の厚さ、深さということではなかったでしょうか。
そして、同性の男性である評論子の目から見ても、昨今、こんなに包容力のある夫は、そうそうにはお目にかからないようにも、評論子には思われます。
(もちろん、評論子自身を省みても。)
隆子が、思わす夫の貞一にキスを迫ったのも、その厚い貞一の包容力に気圧(けお)されてのことだったのだろうとも、評論子は理解しました。
この点、是非とも女性レビュアーのご意見も、評論子的には伺いたいところてす。
察するに、奥さん目線から見ても、こんなに包容力の厚い夫は素敵なのではないでしょうか。
観る方も辛い映画
原作者の川村隆枝さんは当時、仙台医療センター麻酔科の医長でしたからいわば実話に近いヒューマンドラマですね。旦那さんも医師ですが2013年に脳出血で倒れて半身不随になり、川村夫妻は介護生活を余儀なくされました。2018年に「夫の介護が教えてくれたこと」を出版されています。
映画では川島夫妻ですが、ご夫婦の地元への献身的な働きぶりが軸となり、震災のトラウマから恋愛できない麻酔医や義理の母と暮らす未亡人の看護師などをサイドストーリーとして描いています。
震災がリアルなだけに名の売れた俳優さんたちが登場すると、どこかつくりもの感が拭えない、妙な違和感があるのは何故でしょうかね、特に水産加工場の主、町の顔役の津川雅彦さんの臭い演技には閉口しました。
震災後3年経っても、まだ亡骸さえ見つからず、心の癒えない人々、後世に伝える意味での映画化の役割は大切ですし分かっているつもりでしたが正直、観る方も辛い映画でした。
あの津波さえ無かったら
理想事ではなく、被災者と被災地は今も復興の道を歩んでいる
東日本大震災後の仙台を舞台にした人間ドラマ。
医療センターで麻酔科医として働く妻と、震災後被災地で開業医を始めた夫。
医療に携わる夫婦を軸に語られるが、周囲の人間模様こそ印象的。
妻の後輩の若い麻酔科医。震災で父を亡くしたショックから立ち直れない。
夫の助手の看護師。震災で夫を亡くし、義母と二人暮らし。義母の前で悲しみから号泣するシーンは中越典子の演技も相まって、本作で最も心に残った。
心に傷を負いながらも、被災者と被災地に寄り添い、前向きに生きていく姿、復興への思いを、名匠・神山征二郎が実直な演出で描き、優等生的/模範的な作品に仕上がっている。
…のだが、
全体的に真面目過ぎて、柔和さにも欠け、単調。
仮設暮らし、震災詐欺といった現実も描かれているが、今一つ心に響いてこない。
真実味ではなく、あくまで理想事/綺麗事に過ぎないのだ。
別に合わせて見た訳ではないのだが(本当に偶然)、明日は3・11。
あれからもう8年も経つのか…。
様々な思いが交錯しながらも、ゆっくりと復興への道を進んでいるんですね、負けるな東北!
震災後、まだ復興途上の仙台を舞台にした作品だけあって、いろいろと考えさせられた部分も多く、テーマや題材にはとても共感できたのですが、一つの映画の完成度としては、どうなんでしょう・・・いろいろと描きたかったことが多すぎて、詰め込みすぎ&主題が散漫になってしまった印象は否めず、やや惜しい出来の作品になってしまったかなと・・・。
こう言う映画は貶すと人としてどうなのかと疑われてしまいそうでアレなんですけど、グッと感情移入しかけたところでトーンダウンしてしまうようなシーン(祭り関連とか)が多々入ってきたりと、いまいちノレない構成になっていたのが個人的には気になってしまって・・・。
勿論、町が元気になる象徴として祭りを大々的に取り上げることは、復興の観点から見ればとてもいいことなんですけど、映画のテンポは物凄く悪くなってしまい、更には描きたかったことも結局よく分からなくなってしまったような印象を受けたんですよね。
まあメインの部分の、震災を通しての医師として、人としてのあり方みたいなものは、十分伝わってきましたけどね。
地域医療に従事するも、大手の病院で多くの命を救うも、どちらも本当に人としても医師としても素晴らしい、おかげで安心して暮せると思うと、感謝の念しかありません。
会える時間は少なくても、尊敬し合って生きる鈴木京香&三浦友和夫妻の医師としてのあり方には、心揺さぶられるものがありましたよ。
被災地で詐欺行為を繰り返す輩を退治する三浦友和の昭和チックなシーンも、妙にツボでした(笑)
しかし、被災者を食い物にする輩が大勢いる現実には、ホント悲しくなっちゃいますね・・・。
それと麻酔科医の貫地谷しほりのエピソードも、グッと来るものがありました。
麻酔科の立場って、確かにちょっと切ないね・・・自分が手術してもらう機会がある時は、麻酔科医にもしっかりと感謝させていただきます!
中越典子のエピソードも切なかった、震災はいろんなところに爪痕を残したまま、それでも前に進まなくちゃいけないんですね、救う側、救われた側、いろんな想いを乗せて・・・。
話自体には本当にグッと来たんですけど、返す返すも一本の映画へのまとめ加減が何とも勿体無かったなぁ。
ハッキリ言って駄作
このキャスティングでこれかよ、って感じです。
何のメッセージ性もないです。
「命を救う現場の緊張感」も出ていない。
「妻と別居してまで小さな診療所を開く意義」もいまひとつ伝わってこない。
津川雅彦さんや堀内正美さんが中心となって行う秋祭り復活の話は、完全にムダ。
震災復興を中途半端に入れているので、主題がぼやけてしまいました。
全10件を表示




