自身が観光客として訪れた先で災害に巻き込まれるというのは現実にあり得る話である。それが故の何とも言えぬ怖さが印象強い。なんせ海外の為、基本的には言葉は通じない。そして心配になる治安の悪さ。
だが、同じ人間同士何らかの形で助けてもらえるはずだ。それを期待しては決してならず、常に"万が一"を考えていなければならないのはもっともなのだが…
しかし、本作はそんな希望も持ってはいけない物語となっている。モラルや論理感等を崩壊させたとち狂った世界が展開される。災害よりも怖いのは人間という事なのだ。海外ではこういう事があるとすぐに暴動が起き、略奪などが相次ぐが、本作では町全体がもはやカオスであり、倒壊した刑務所から凶悪犯が逃げ出し、地震以上にヤバい存在が生存者を追い詰めていくのだ。直接的な描写は無いが登場人物の1人が犯されるシーンがあり、一応彼女も子持ちという設定だった為余計に心が痛くなる展開だった。基本的には暴徒の手から逃げる展開であり、どうせなら市民や観光客らなどのまともなグループと脱獄グループの攻防戦や心理戦も見たかった気もする。前半がパーティーでいい大人がはしゃいだり女の子を品定めするというどうでもいいシーンが続く為、いざ事が起きてからはシャキッとするかと思いきや少しずつだれてくるのが残念だった。
だが後半は意外な人物の正体が明かされ、きちんと伏線も張ってありひとつの楽しみポイントがある。ラストは笑うしか無いオチである為、それも含めて気の毒な人たちを鑑賞していれば良いのだろう。
イーライ・ロスが製作に携わっているが、途中までは主人公レベルで出演もしている為、コミカルな演技は俳優としてのキャリアを感じさせる。彼の顛末も1番ひどい為要チェックである。