掠奪された七人の花嫁

劇場公開日:1954年10月26日

解説

「君知るや南の国」のジャック・カミングスが1954年に製作したシネマスコープ色彩ミュージカル。ピュリッツァ賞作家スティーブン・ヴィンセント・ベネットの原作を「ローズ・マリイ(1936)」のコンビ、アルバート・ハケットとフランセス・グッドリッチに「水着の女王」のドロシー・キングスリーが加って脚色、「踊る大紐育」のスタンリー・ドーネンが監督した。アンスコカラーの撮影監督は「第8ジェット戦闘機隊」のジョージ・フォルシー、音楽監督はアドルフ・ドイッチュである。出演者は、「ローズ・マリー(1954)」のハワード・キール、「スイングの少女」のジェーン・パウエル、ジェフ・リチャーズ、ジュリー・ニューメイヤー、ラス・タンブリン、ナンシー・キルガス、トミー・ロール、ヴァージニア・ギブソンなど。

1954年製作/102分/アメリカ
原題または英題:Seven Brides for Seven Brothers
配給:MGM映画会社
劇場公開日:1954年10月26日

あらすじ

1850年のお話。アダム・ポンティピー(ハワード・キール)はオレゴンの山奥から町へ出てきた。そして首尾よく料理店の女ミリー(ジェーン・パウエル)を口説き落として山の農場へ連れ帰った。アダムのうまい口説を本気にして来たミリーは、総勢7名の荒々しいポンティピー兄弟に会い、散らかし放題の家の中を見てすっかり幻滅の悲哀を感じてしまったが、すぐ気をとりなおしてかいがいしく働き出したから、さすがの兄弟たちも身なりをさっぱりと改め、新しい生活にのりだした。ある日、ミリーが弟たちと一緒に町へ買物に出たところ、彼らは町の娘に手を出してボーイ・フレンドと喧嘩をひき起こす始末。これではならぬとミリーは弟たちに女性と交際するエチケットを教え、どうやら1人前にして6人の弟たちを町へ連れ出した。1人1人相手を得て、至極神妙にやっていたうちはよかったが、町の男が誤ってアダムの頭へ厚板を落としたのがきっかけとなって、おさえられていた血気が一挙に爆発し、大乱闘を展開した。そんなことで折角のロマンスへのチャンスを失った兄弟は、冬を迎えて憂鬱な日を送っていたが、それを見たアダムは、古代ローマ人は町を襲って各々結婚相手をさらって来たと智恵をつけてやった。間もなく兄弟の駆る4頭立ての馬車が町を襲い、娘たちをさらっていった。町人が後を追って彼らに迫ったとき、その間に雪崩が突発してポンティピー農場への1本道は春の雪どけまで断たれてしまった。ミリーはこの野蛮な行為に憤慨して男たちを納屋へ追いやり、娘たちは自分と一緒に母屋においた。ミリーの厳重な監視の下に、若者たちは、いや娘たちもうつうつと一冬を過ごした。春が来て雪がとけると、早速町の人たちが武器をもって娘たちを取り返しにやって来たが、なんと娘たちは兄弟と手をとりあって町人に反抗する。折もおり、ミリーに第1子が誕生し、やがて、押しよせた町びとたちを立会人に、6組の結婚式が賑やかにとり行われたのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

映画レビュー

4.0 掠奪された七人の花嫁

2026年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

スタンリー・ドーネンがジーン・ケリーとの共同監督ではなく単独で演出に当たった作品としては、フレッド・アステアと初めて組んだ「恋愛準決勝戦 ('51)」、あの「雨に唄えば ('52)」のデビー・レイノルズとドナルド・オコナーを主役にした「Give a Girl a Break ('53)」を含め計4本有るが、本作はドーネン監督作品として、最初の大傑作と言える出来栄えであり、当時作られた他のミュージカル映画と比較しても、斬新で独特なスタイルを持つ作品として映画史にその名を刻んでいる。
1954年という年は、ハリウッドのメジャー・スタジオがそれまでのスタンダード (Aspect ratio 1.37:1)から、横長の大型スクリーンであるシネマスコープ (Aspect ratio 2.35:1)へと移行した映画史的にも非常に重要な年であり、「略奪された七人の花嫁」も完全にこれを意識して作られた作品で、シネマスコープならではの魅力に溢れている。
映画のタイトル通り、七人の兄弟が街に繰り出して、七人の花嫁を略奪する話なので、少なくとも計14人の男女がシネマスコープの画面一杯に拡がっての大群舞シーンやアクションシーンが必要になる。スピーディーでダイナミックな振り付けの歌とダンスやスラップスティック的な笑いに満ちた豪快な乱闘シーンが、シネマスコープの大画面+当時MGMが開発したアンスコカラー+4chステレオ音響と言う豪華なテクニカル・スペックで描かれていく。
映画は西部劇と変わらない田舎街のオープンセットで始まるが、山奥の農場への移動中の森のシーン、到着した農場での様々なシーンを含めた大半が当時のMGMスタジオ内に作られた巨大なセットで撮影されたものであり、美術と装置類が見事だ。
主役のハワード・キールは、「ショウ・ボート ('51)」に代表される様なオペラ歌手並みのバリトンで歌い上げるのが得意なスターであり、軽いコメディ向きという感じがしないが、この映画ではそつなく喜劇演技を披露している。相手役のジェーン・パウエルは、既に「恋愛準決勝戦」でのアステアとの数々の歌やタップダンスを見ての通り、ミュージカル・コメディが似合うスターだが、美しいソプラノで歌い上げるのが特徴でもある為、この主役二人によって思い切り歌い上げられてしまうと流石にミュージカル・コメディらしからぬ映画になってしまうのではと、観る前には少々心配したものだが、監督ドーネンの才気溢れる演出力と「イースター・パレード ('48)」や「踊る海賊 ('48)」の名脚本家であるフランシス・グッドリッチ&アルバート・ハケットに、更に「Girl Crazy ('43)」や「キス・ミー・ケイト ('53)」のドロシー・キングスレーが加わったシナリオが冴えわたり、そんな心配も杞憂に終わっている。
ビデオソフト(LD、DVD等)で既に何度も観ている映画だが、初めて観たのが新宿歌舞伎町に有った「名画座ミラノ」でのリバイバル公開時だった。フィルムで、しかもシネマスコープの大画面で観ることが出来た日のことを今でも鮮明に覚えている。TVやビデオやサブスクで観るのも良いが、やはりこういう映画は劇場の大画面で観たいし、もっとそういう機会が欲しいものである。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ナオイリ

4.0 MGM黄金期のひとつ

2025年5月11日
PCから投稿

”所属スターは星の数ほどいる”
そこまで言い切った時代の
MGM映画会社の作品のひとつ

物語は山奥に住む七人兄弟
長兄が結婚したのを羨む弟達
自分達もと、町に住む娘をさらう
とんでもない話だが、恋に発展させる。

ほとんどがスタジオ撮影
力の入れ方は魅力的な歌曲
バレエの要素を入れた舞踊
歴史に残る映画のひとつ。

ジェーン・パウエルの歌
全体的にダンスもいい。
監督はスタンリー・ドーネン
楽しい作りは外さないひとり

ミュージカル史の中でも
印象的な映画だと思う。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
星組

4.0 一応ミュージカル

2021年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 いきなり嫁さんを見つけたんかい!聖書になぞらえてABC順に付けられた兄弟の名前など、かなり笑える内容のミュージカルだ。女を見たことも無いという弟たち。ミリーは髭を剃ったら意外とハンサムだった彼ら弟たちを紳士になるよう教育し始めるのだが、野生児に教えるようなものだった(笑)。音楽・踊りも楽しいし、ケンカをしないと約束させられた兄弟たちが憎めない存在だ(結局ケンカするけど)。アダム(キール)だけが異様に長身であり、ダンス向きではないのでしょうか。

 雪崩を起こしたり,突然春が来たり、やはりコミカルなファンタジーなんでしょう。町の男たちも冬の間は指を咥えて待ってただけのようだし・・・

コメントする 1件)
共感した! 2件)
kossy

5.0 バーンダンス (納屋の踊り)

2020年4月24日
Androidアプリから投稿

振付師マイケル・トッドの野心作で
見処は ポンティピー弟6+娘6+町独身男6(+兄嫁)の
恋のさやあても表現した群舞、男達のボードの上の競争、そして乱闘へと続く流れ

集団の迫力と男性ダンサーの身体能力を見せつけるアクロバティックなダンス

歌は正統派のキールとパウエルが美声を披露するが
弟達の歌う〈寂しいスカンク〉も切なく可笑しい
意外と可愛らしい弟達
彼等を長い間面倒見てきて 合理的人間になりすぎた兄は嫁を悲しませる

群舞と男性ダンサーの魅力を知らしめた振付師の仕事に理解を示したドーネン監督もブロードウェイのコーラスから振付師、監督へと進んだ

1998年のアカデミー名誉賞受賞時には 歌とタップダンスを披露してくれている
(チャーミング!)
この作品には不満もあったらしい
プロの目は厳しい

コメントする (0件)
共感した! 1件)
jarinkochie

他のユーザーは「掠奪された七人の花嫁」以外にこんな作品をCheck-inしています。