ミッドサマー
「ヘレディタリー 継承」のアリ・アスター監督によるフェスティバル・スリラー
恐怖の歴史を覆す、暗闇とは真逆の明るい祝祭を舞台に描いた、究極の恐怖と未体験の開放感。
映画レビュー
PRO
観客の良識をひっくり返す“祝祭”ホラー、全編に漂う嫌な感じがたまらない
五所光太郎(アニメハック編集部)さん | 2022年3月30日 | PCから投稿
R15+指定の一部ショッキングな描写と、全体的に嫌な感じが漂う、好きな人にはたまらない1作。民俗学を研究する男女5人が僻地のコミューンで行われる“祝祭”に参加するためフィールドワークするなかで徐々に奇妙な出来事が起きていき……と、これ以上はぜひ作品を見ていただきたいです。男女が車でコミューンに向かうところをカメラが上下反転させて映していくカットが印象的で、観客も自らの常識や良識をひっくり返される気分を味わうことができます。
PRO
意外なフック(惹きつけ)を見逃さず映画の本質へ
清藤秀人さん | 2020年2月28日 | PCから投稿
ネタバレ
PRO
期待値を上げ過ぎてしまったか…
高森 郁哉さん | 2020年2月25日 | PCから投稿
ご多分に漏れず、アリ・アスター監督のデビュー作「ヘレディタリー 継承」の衝撃が忘れられない。ミリー・シャピロが演じた娘の得も言われぬ不気味さ、トニ・コレットが演じた母の終盤の強烈な変貌ぶりなど、並みのホラーを寄せ付けない圧倒的なインパクトとオリジナリティがあった。当然、今作も大いに期待していた。
「ミッドサマー」の大筋は、ニコラス・ケイジ主演でリメイクも作られた「ウィッカーマン」などに代表される、人里離れたコミュニティに入り込んでしまった主人公(たち)が、その地特有の文化や価値観(カルト宗教、食人の習慣など)によってひどい目に遭うという類型をたどる。よって前作のような斬新さを期待しすぎると、肩透かしを食ってしまう。楽園のようなビジュアル、ヒロインを待つ結末などは確かにひねってあるものの、前作のトラウマ級の独創性には到達していない。比較しなければ、十分に良くできたホラーだとは思うが。