ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ライナー・ベルナー・ファスビンダーが1972年に手がけた、女性同士の愛を描いたメロドラマ。
ファッションデザイナーのペトラは、2度目の結婚に失敗して落ち込んでいた。助手のマレーネをしもべのように扱いながら、アトリエ兼アパルトマンの部屋で暮らしている彼女のもとに、友人が若く美しい女性カーリンを連れてやってくる。カーリンにひかれたペトラは、彼女と同棲を始めるが……。
1972年のドイツ映画賞で主演女優賞、助演女優賞、撮影賞を受賞。ペトラ役はマルギット・カルステン、カーリン役は後に「マリア・ブラウンの結婚」でベルリン国際映画祭の女優賞、「ピエラ 愛の遍歴」でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞するハンナ・ジグラ。2022年には、ファスビンダーを敬愛するフランスのフランソワ・オゾン監督が、本作を翻案して描いた「苦い涙」を発表。日本では2023年にオゾン監督の「苦い涙」の公開にあわせた特別上映企画「オゾンとファスビンダー」にて、劇場初公開となる。
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