Pearl パール

   102分 | 2022年 | R15+

タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演のホラー「X エックス」のシリーズ第2作

夢見る少女だったパールがいかにしてシリアルキラーへと変貌したかが明らかにされる!

スクリーン1
配信期間:2024年12月5日(木)まで

タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演のホラー「X エックス」のシリーズ第2作で、1970年代が舞台だった「X エックス」の60年前を描く前日譚。「X エックス」に登場した極悪老婆パールの若き日を描き、夢見る少女だったパールがいかにしてシリアルキラーへと変貌したかが明らかにされる。

スクリーンの中で歌い踊る華やかなスターに憧れるパールは、厳格な母親と病気の父親と人里離れた農場で暮らしている。若くして結婚した夫は戦争へ出征中で、父親の世話と家畜たちの餌やりの毎日に鬱屈とした気持ちを抱えていた。ある日、父親の薬を買いにでかけた町で、母親に内緒で映画を見たパールは、ますます外の世界へのあこがれを強めていく。そして、母親から「お前は一生農場から出られない」といさめられたことをきっかけに、抑圧されてきた狂気が暴発する。

前作で主人公マキシーンとパールの2役を演じたミア・ゴスが今作でも主演を務め、若かりし日のパールを演じてるほか、脚本と製作総指揮にも名を連ねている。

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映画レビュー

村山章

PRO

もはやホラーじゃないと思うけれど、温故知新で生まれた新ジャンル。

村山章さん | 2023年7月31日 | PCから投稿

ネタバレ

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高森 郁哉

PRO

映画の世紀の夢と狂気を鮮やかにえぐるスラッシャー3部作の第2弾

高森 郁哉さん | 2023年7月7日 | Androidアプリから投稿

1979年のテキサスの片田舎を舞台に、女優志望のマキシーンと殺人老婆パールの対決を描いたタイ・ウェスト監督作「X エックス」(2022)を観た時、これほど壮大な構想を深謀したプロジェクトとは思いもよらなかった。そもそも、ミア・ゴスがマキシーン役だけでなくパールも特殊メイクで演じたことを鑑賞後に知ったくらいだ。

ウェスト監督とミア・ゴスは「X エックス」の撮影準備期間中、すでに「Pearl パール」の脚本を書き上げていたという。時代は1918年、若かりし頃のパールの夢と挫折を描く前日譚だ。厳格な母の監視下、全身不随の父の世話をさせられ、夫は戦争に出征中だが、大衆娯楽として急成長が始まった映画の世界でスターになることを夢見るパール。

「X エックス」が「悪魔のいけにえ」などの1970年代の低予算ホラー映画にオマージュを捧げたように、「Pearl パール」はテクニカラーの幻想的なミュージカル「オズの魔法使」へのオマージュに満ちている。世代の異なるマキシーンとパールという、映画スターを夢見るヒロインたちをめぐる血みどろの惨劇を描きつつ、20世紀の米映画史を(断片的ではあれ)振り返ってみせる側面もあるのだ。

第3作「MaXXXine」の概要も少しずつ明らかになっている。ティーザー予告によると、舞台は1985年のロサンゼルス。時系列では「X エックス」の後日譚となり、タイトルロールのマキシーンが当然主人公だが、“XXX”は本格的なポルノ映画を指すラベルなので、彼女はやはりポルノ業界で夢を追うのだろうか。主要キャストはミア・ゴスのほかエリザベス・デビッキ、ミシェル・モナハン、リリー・コリンズ、ケヴィン・ベーコンと特に女優陣が豪華。撮影は4月に始まっており、前2作の製作のスピード感からすると来年公開も十分あり得る。パールからマキシーンへと継承された夢と狂気の物語がどんな結末を迎えるのか、今から楽しみだ。