「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の佐古忠彦監督が、太平洋戦争末期の沖縄県知事・島田叡にスポットを当て、知られざる沖縄戦中史を描いたドキュメンタリー。1944年10月10日、米軍による大空襲で壊滅的な打撃を受けた沖縄。翌年1月、内務省は新たな沖縄県知事として、当時大阪府の内政部長だった島田叡を任命する。家族を大阪に残して沖縄に降り立った島田は、大規模な疎開促進や、食糧不足解消に奔走するなど、様々な施策を断行。米軍の沖縄本島上陸後は、壕を移動しながら行政を続けた。大勢の県民が命を落としていく中、島田は軍部からの理不尽な要求と、行政官としての住民第一主義という信念の板挟みとなり、苦渋の選択を迫られる。戦時下の教育により「玉砕こそが美徳」とされた時代、周囲の人々に「生きろ」と言い続けた島田の生き方、考え方はどのように育まれたのか。沖縄戦を生き延びた県民たち、軍や県の関係者、遺族への取材を中心に、新たに発見された資料を交えながら、その生涯に迫る。俳優の佐々木蔵之介が語りを担当。
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