1982年のニューヨーク、サウス・ブロンクスを舞台に、ひとりのグラフィティアーティストの生きざまを描いたドキュメンタリードラマ。DJ、ラップ、ブレイクダンス、グラフィティアートからなるヒップホップカルチャーを世界に広めるきっかけにもなったと言われる作品。社会に不満を抱く青年レイモンドは、そのはけ口をグラフィティアートに求めていた。夜な夜な地下鉄の操車場に忍び込んでは地下鉄車両にスプレーでグラフィティを描き、「ゼロ」とサインする。ゼロの作品はやがて評判を呼び、彼のタッチを真似た絵も出回っているが、不法行為であるためレイモンドは自分がゼロであることを恋人にも明かすことができない。そんなある日、レイモンドはアーティストとして華やかな表舞台に立てるチャンスを得るが、アンダーグラウンドの世界で自由に描くこととの狭間で揺れ、思い悩む。実際のグラフィティライターやダンサー、DJ、ラッパーなども多数登場し、ヒップホップムーブメントが生まれる瞬間を鮮明に描き出した。
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