死刑執行人

   87分 | 1963年

ヴェネチア映画祭国際映画評論家連盟賞受賞作

ルイス・ガルシア・ベルランガ監督が、個人が否応なくシステムに組み込まれていく不条理さを黒いユーモアで描いた。

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葬儀屋のホセ・ルイスは、刑務所でベテラン死刑執行人アマデオと知り合い、一人娘のカルメンとも出会う。死刑執行人の娘と葬儀屋、良縁に恵まれなかった2人はすぐに意気投合して“デキ婚”に至る。アマデオは新婚の2人と新築の官舎への転居を計画するが、引退するアマデオは「公務員であること」という入居資格を失っていた。入居にはカルメンが独身と証明するか、ホセ・ルイスが公務員になるしかない。父娘に丸め込まれたホセ・ルイスは、かくして死刑執行人の後継者に。そして……ついにマヨルカ島での死刑執行命令書が届いてしまう。
 個人が否応なくシステムに組み込まれていく不条理さを黒いユーモアで描いた、ベルランガ監督の頂点のひとつ。スペインの死刑は78年に憲法で廃止が確定したが、椅子に座らせた死刑囚の首を鉄環で締めつけるガローテ刑(鉄環絞首刑)と呼ばれる残酷な方法だった。ヴェネチア映画祭国際映画評論家連盟賞受賞作。

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