ジョゼと虎と魚たち(2020・韓国版)

   117分 | 2020年 | G

【日本最速プレミア上映】ハン・ジミンとナム・ジュヒョク主演の新たな純愛映画

青春恋愛映画の名作をリメイクした美しくも儚いラブストーリー。劇場公開に先駆けて期間限定配信!先着300名様限定。

配信は終了しました。

日本でも2003年に実写映画化、20年にアニメ映画化された田辺聖子の短編小説「ジョゼと虎と魚たち」を韓国で映画化。キム・ジョングァン監督が日本実写版のエッセンスを巧みに取り入れながら、四季が織りなす美しい映像を背景に、足の不自由な女性と心優しい大学生の純愛を描き出す。大学卒業を控える青年ヨンソクは、道端に倒れている車椅子の女性に遭遇し、家まで送り届ける。足が不自由な彼女はジョゼと名乗り、祖母と2人きりで暮らしていた。本が大好きで独特の感性を持つジョゼに興味を抱いたヨンソクは、それ以来、度々彼女の家を訪れるようになるが……。「虐待の証明」「密偵」のハン・ジミンがジョゼ、ドラマ「スタートアップ 夢の扉」のナム・ジュヒョクがヨンソクを演じた。

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監督: キム・ジョングァン
製作: ク・ジョンア
原作: 田辺聖子
出演: ハン・ジミンナム・ジュヒョク
英題:Josee
韓国 / 韓国語
Original Film (C)2003 "Josee, the Tiger and the Fish" Film Partners. All Rights Reserved. (C)2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

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映画レビュー

和田隆

PRO

韓国のラブストーリー映画の系譜

和田隆さん | 2021年11月30日 | PCから投稿

少し寂れた趣の住宅街の片隅、足の不自由なジョゼのものと思われる低い視点からの庭の木や風の舞う路地の風景に小鳥や風の音が聞こえ、雑然とした家の中、本棚や台所の様子がやわらかな光と薄暗い影の中に映し出され、そこに美しい音楽とふたりのナレーションが被る。この冒頭シーンは、韓国映画の名作「八月のクリスマス」を想起させ、韓国のラブストーリー映画の系譜を感じさせる。

日常の中の偶然の出会い。それを劇的に映し出すのではなく、セリフは最小限に抑えられ、自然音の中で静かに、じっくりとふたりを捉えることによって、それが運命的な出会いとなることを予感させる演出は秀逸だ。脚本も手掛けたキム・ジョングァン監督は、オリジナル版のエッセンスを巧みに取り入れながら、四季が織りなす映像美を背景に、官能的でみずみずしい美しさにあふれた物語に仕上げていて、映像で語ろうとするその静かな切なさが全編に貫かれている。

演技派女優ハン・ジミンがジョゼを、人気沸騰中の若手俳優ナム・ジュヒョクが青年ヨンソクを演じている。四季を通して次第に変化していくふたりの心情が痛いほど切ない。ヨンソクを思いやって拒絶しながらも、ジョゼが外の世界に追いかけていく雪のシーンは、映画史に刻まれることだろう。