映画レビュー

PRO
Introspective Art Thriller
Dan Knightonさん | 2020年10月20日 | PCから投稿
This story of a family's deconstruction in a mountain resort is a Neo-Shining master work with all the finer points of European arthouse. A literary observation of the human psyche when confronted with a life-threatening event. There's humor and sarcasm in its pessimistic tale--a stalker-like hotel janitor feels like a caricature of the director's own insecurities. It makes lemonade out of lemons.

PRO
人間の本性をあけすけに暴くユーモア
杉本穂高さん | 2018年5月29日 | PCから投稿
知的興奮、というのはこういう映画のためにある言葉だと思う。人間は追い詰められた時にその本性を現すが、まさに本性を表してしまった人間への見方が一変する体験を見事に描いている。
頼れる父親だったはずの男が、いざ雪崩という危機が起きると家族を置いて一人で逃げてしまう。そこから家族の絆に日々が入る。おそらく本人もそんな危機に直面するまでは、自分がそんな人間だと思いもしなかったのだろう。良き父親、良き夫という「仮面」を生命の危機によって強引に剥がされてしまった男の惨めな姿。観ていてつらく滑稽だ。
リューベン・オストルンド監督の観察眼は、まるで人間を昆虫を観察するかのように見つめる。何かの実験をするかのように、こういう状況に置くと人間がどんな行動を取るのか、というような冷徹な視線がある。この距離感がコメディに最適だ。