COLD WAR あの歌、2つの心

COLD WAR あの歌、2つの心

3.7    88分 | 2018年 | G
COLD WAR あの歌、2つの心

COLD WAR あの歌、2つの心

3.7 88分 | 2018年 | G

スクリーン2
配信開始:2021年7月1日(木)~

 字幕版 】 440円

冷戦に揺れるポーランドで、歌手を夢見るズーラとピアニストのヴィクトルは音楽舞踊団の養成所で出会い、恋に落ちる。だが、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、パリに亡命する。歌手になったズーラは公演で訪れた先でヴィクトルと再会、幾度かのすれ違いを経て共に暮らし始める。しかし、ある日突然ズーラはポーランドへ帰ってしまう。あとを追うヴィクトルに、思いもかけぬ運命が待ち受けていた。

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監督: パベウ・パブリコフスキ
製作: ターニャ・セガッチアン エバ・プシュチンスカ
製作総指揮: ナタナエル・カルミッツ リジー・フランク ロヒット・カタール ジョン・ウッドワード ジェレミー・ガワデ ダニエル・バトセック
出演: ヨアンナ・クーリグトマシュ・コットボリス・シィツアガタ・クレシャセドリック・カーンジャンヌ・バリバールアダム・フェレンツィアダム・ボロノビチ
英題:Zimna wojna
ポーランド,イギリス,フランス / ポーランド語、フランス語、ドイツ語、ロシ
(C)OPUS FILM Sp. z o.o. / Apocalypso Pictures Cold War Limited / MK Productions / ARTE France Cinéma / The British Film Institute / Channel Four Televison Corporation / Canal+ Poland / EC1 Łódź / Mazowiecki Instytut Kultury / Instytucja Filmowa Silesia Film / Kino Świat / Wojewódzki Dom Kultury w Rzeszowie

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映画レビュー

村山章

PRO

激動の現代史を意にも介さぬ男女の愛

村山章さん | 2019年7月30日 | Androidアプリから投稿

国策によって結成された歌舞団の指導者と新人として出会った男と女が、時代の流れに翻弄される。と、こう説明してもウソではないはずなのに、まったくそんな印象は残らない。この男女の痴話話は、もはや全体主義とか芸術の在り方とかそういうレベルを超越しているのだ。

あまりにも美しいモノクロ映像と音楽で綴られる男と女の遍歴は、確かに外的要因によって波瀾を増しているのだが、くっついたり離れたりを続ける主人公カップルにとって、そんなものは自分たちのややこしい恋愛を盛り上げるスパイスとしか感じてないようにも見える。

ミュージシャン同士のどうしようもない痴話話という意味でスコセッシの『ニューヨーク、ニューヨーク』を思い出したりもしたし、なんなら『天気の子』にも通じる部分があるように思う。とにかく「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」を地で行く唯我独尊カップルの姿を、面白いと思えるか否かが観客側の分かれ道だろうし、自分はこのワガママな恋愛を非常に楽しんで観た。楽しむ、というには暗い部分も多いが、それもまたアッパレな暗さだったように思う。

清藤秀人

PRO

それは分裂の時代への鎮魂歌

清藤秀人さん | 2019年6月25日 | PCから投稿

冷戦時代のポーランドで出会い、恋に落ちたピアニストと歌手の運命は、やがて、東側と西側に引き裂かれ、引き裂かれても尚、会う場所を変えながら続いていく。しかし、2人に永遠の住処はない。時代の波が渦巻き、一旦それに飲み込まれたら、木の葉のようにたゆたうしかないのだ。今年のオスカーのダークホースとして注目された本作は、過ぎ去った出来事のようでいて、実は今も確実に存在している民族分裂の悲劇を、ラブストーリーに落とし込んで秀逸な出来映え。劇中に何度も歌われるポーランド民謡の多くが、添い遂げられない恋人たちの悲しみを訴えかけるもの。それはまるで、分裂の時代への鎮魂歌のようだ。

映画レビュー

村山章

村山章さん PRO
2019年7月30日 | Androidアプリから投稿

激動の現代史を意にも介さぬ男女の愛

国策によって結成された歌舞団の指導者と新人として出会った男と女が、時代の流れに翻弄される。と、こう説明してもウソではないはずなのに、まったくそんな印象は残らない。この男女の痴話話は、もはや全体主義とか芸術の在り方とかそういうレベルを超越しているのだ。

あまりにも美しいモノクロ映像と音楽で綴られる男と女の遍歴は、確かに外的要因によって波瀾を増しているのだが、くっついたり離れたりを続ける主人公カップルにとって、そんなものは自分たちのややこしい恋愛を盛り上げるスパイスとしか感じてないようにも見える。

ミュージシャン同士のどうしようもない痴話話という意味でスコセッシの『ニューヨーク、ニューヨーク』を思い出したりもしたし、なんなら『天気の子』にも通じる部分があるように思う。とにかく「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」を地で行く唯我独尊カップルの姿を、面白いと思えるか否かが観客側の分かれ道だろうし、自分はこのワガママな恋愛を非常に楽しんで観た。楽しむ、というには暗い部分も多いが、それもまたアッパレな暗さだったように思う。

清藤秀人

清藤秀人さん PRO
2019年6月25日 | PCから投稿

それは分裂の時代への鎮魂歌

冷戦時代のポーランドで出会い、恋に落ちたピアニストと歌手の運命は、やがて、東側と西側に引き裂かれ、引き裂かれても尚、会う場所を変えながら続いていく。しかし、2人に永遠の住処はない。時代の波が渦巻き、一旦それに飲み込まれたら、木の葉のようにたゆたうしかないのだ。今年のオスカーのダークホースとして注目された本作は、過ぎ去った出来事のようでいて、実は今も確実に存在している民族分裂の悲劇を、ラブストーリーに落とし込んで秀逸な出来映え。劇中に何度も歌われるポーランド民謡の多くが、添い遂げられない恋人たちの悲しみを訴えかけるもの。それはまるで、分裂の時代への鎮魂歌のようだ。