フェアウェル

   100分 | 2019年 | G

第77回ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞受賞(コメディ/ミュージカル部門)

余命3ヵ月の祖母に真実を隠し、「さよなら」の代わりに家族が伝えたこととは? “嘘”から生まれた感動の実話。

中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督が自身の体験に基づき描いた物語で、祖国を離れて海外で暮らしていた親戚一同が、余命わずかな祖母のために帰郷し、それぞれが祖母のためを思い、時にぶつかり、励まし合うながら過ごす日々を描いたハートウォーミングドラマ。ニューヨークに暮らすビリーは、中国にいる祖母が末期がんで余命数週間と知らされる。この事態に、アメリカや日本など世界各国で暮らしていた家族が帰郷し、親戚一同が久しぶりに顔をそろえる。アメリカ育ちのビリーは、大好きなおばあちゃんが残り少ない人生を後悔なく過ごせるよう、病状を本人に打ち明けるべきだと主張するが、中国に住む大叔母がビリーの意見に反対する。中国では助からない病は本人に告げないという伝統があり、ほかの親戚も大叔母に賛同。ビリーと意見が分かれてしまうが……。「オーシャンズ8」「クレイジー・リッチ!」のオークワフィナが祖母思いの孫娘ビリーを演じる。

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監督: ルル・ワン
脚本: ルル・ワン
撮影: アンナ・フランケスカ・ソラーノ
出演: オークワフィナツィ・マーダイアナ・リンチャオ・シュウチェン水原碧衣ルー・ホン
英題:The Farewell
アメリカ / 英語
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映画レビュー

村山章

PRO

思いの外、一筋縄ではいかない人情噺

村山章さん | 2020年10月31日 | PCから投稿

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高森 郁哉

PRO

中国の勢いを感じさせるアメリカ映画

高森 郁哉さん | 2020年9月26日 | PCから投稿

ルル・ワン監督は中国生まれの米国育ち、その実体験に基づく劇映画の主演に、やはり父親が中国人の米国人女優オークワフィナを起用。米国文化で育った“現代の華僑”が、中国に里帰りして親類たちと過ごし、祖母に余命告知をするかどうかで対立するというドラマが、心に染みる物語に仕立てられた。アメリカ映画でありながら中国系のスタッフ・キャストが米中のカルチャーギャップをユーモラスに描く本作は、米映画界の多様化と差別撲滅の追い風を受けた面もあるとはいえ、やはり中国という国の勢いを感じさせ、日本の観客として羨望と嫉妬を禁じ得ない。

描かれるのは、東洋と西洋の死生観や家族観の違いであると同時に、中高年と若者の世代間の価値観のギャップとしてとらえることもでき、若い世代ならむしろその点でより共感できるのではないか。大方の予想を裏切るラストも心憎い。あの「ハッ!」が海を越えて届くのも、映画ならではの素敵な嘘だ。