おらおらでひとりいぐも

おらおらでひとりいぐも

3.4    137分 | 2020年 | G
おらおらでひとりいぐも

おらおらでひとりいぐも

3.4 137分 | 2020年 | G

スクリーン1
 |  配信開始:2021年5月26日(水)~

550円

昭和、平成、令和をかけぬけてきた75歳、ひとり暮らしの桃子さん。 ジャズセッションのように湧き上がる“寂しさ”たちとともに、 賑やかな孤独を生きる―― 1964年、日本中に響き渡るファンファーレに押し出されるように故郷を飛び出し、上京した桃子さん。あれから55年。結婚し子供を育て、夫と2人の平穏な日常になると思っていた矢先…突然夫に先立たれ、ひとり孤独な日々を送ることに。図書館で本を借り、病院へ行き、46億年の歴史ノートを作る毎日。しかし、ある時、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が、音楽に乗せて内から外から湧き上がってきた!孤独の先で新しい世界を見つけた桃子さんの、ささやかで壮大な1年の物語。

全文を読む

監督: 沖田修一
原作: 若竹千佐子
脚本: 沖田修一
出演: 田中裕子蒼井優東出昌大濱田岳青木崇高宮藤官九郎田畑智子黒田大輔山中崇岡山天音三浦透子六角精児大方斐紗子鷲尾真知子
日本 / 日本語
(C)2020「おらおらでひとりいぐも」製作委員会

全て見る

映画レビュー

和田隆

PRO

“孤独”へのユーモア溢れる眼差しが優しく響く

和田隆さん | 2020年11月2日 | PCから投稿

ネタバレ

クリックして本文を読む
高森 郁哉

PRO

突き詰めれば“ひとり”。ひとりとひとりの連なりが生命の歴史

高森 郁哉さん | 2020年10月31日 | PCから投稿

原作者・若竹千佐子が桃子さんという主人公の思索を通じて伝えるそうした哲学的なメッセージを、脚本を兼ねた沖田修一監督はアニメーションやCGも駆使し、視覚的に直観しやすいユーモラスなビジュアルで表現した。コメディやドラマを比較的オーソドックスな話法で作ってきた沖田監督だが、今作ではストーリーを映像で語る「映画」のフォーマットでどこまで遊べるか、正統な映像表現手法をシュールレアルな描写や唐突なギャグで脱構築できるかに挑戦してもいる。

地球46億年の歴史と桃子さんの人生は、一見遠いようで、俯瞰すれば脈々と続く命のバトンで繋がっている。人間は生まれる時もひとり、死ぬ時もひとりだが、家族や出会った人々など、有限の時間を一緒に過ごした人と、過去の自分自身の記憶は共にある。単に独居老人のありようにとどまらない、人生への向き合い方についての含蓄に富む豊穣な映画体験だ。

牛津厚信

PRO

陽だまりのように優しく、温かく、ちょっとだけ奇想天外

牛津厚信さん | 2020年10月29日 | PCから投稿

沖田作品はいつも陽だまりのようだ。たとえ主人公の心に生きる上での悩みや悲しみ、孤独がのしかかろうとも、決して吹きっさらしのままにはせず、いつしかなんとも言えない温もりがその身をそっと包み込む。樹木希林を演出した「モリのいる場所」の自由さにも驚かされるばかりだったが、今回、田中裕子演じる「桃子さん」の中でゆっくりと移ろいゆく記憶や想いに寄り添う過程にも、確かな優しさと温もりがにじんでいた。一人きりになると決まって現れる「心の声」の表現も毎度おかしくてたまらないが、そこから奇想天外なマジックリアリズムへと突入したり、上京直後の夢と希望、家族みんなが居た頃の懐かしい記憶が急に沸き起こったり、はたまた彼女の人類史への興味関心もダイナミックに映画を息づかせる。140分近い作品だが、もっと寄り添って見つめていたいとも感じる。またも人間のこと、歳を重ねることを好きになれる名作を、沖田監督は届けてくれた。

映画レビュー

和田隆

和田隆さん PRO
2020年11月2日 | PCから投稿

“孤独”へのユーモア溢れる眼差しが優しく響く

ネタバレ

クリックして本文を読む
高森 郁哉

高森 郁哉さん PRO
2020年10月31日 | PCから投稿

突き詰めれば“ひとり”。ひとりとひとりの連なりが生命の歴史

原作者・若竹千佐子が桃子さんという主人公の思索を通じて伝えるそうした哲学的なメッセージを、脚本を兼ねた沖田修一監督はアニメーションやCGも駆使し、視覚的に直観しやすいユーモラスなビジュアルで表現した。コメディやドラマを比較的オーソドックスな話法で作ってきた沖田監督だが、今作ではストーリーを映像で語る「映画」のフォーマットでどこまで遊べるか、正統な映像表現手法をシュールレアルな描写や唐突なギャグで脱構築できるかに挑戦してもいる。

地球46億年の歴史と桃子さんの人生は、一見遠いようで、俯瞰すれば脈々と続く命のバトンで繋がっている。人間は生まれる時もひとり、死ぬ時もひとりだが、家族や出会った人々など、有限の時間を一緒に過ごした人と、過去の自分自身の記憶は共にある。単に独居老人のありようにとどまらない、人生への向き合い方についての含蓄に富む豊穣な映画体験だ。

牛津厚信

牛津厚信さん PRO
2020年10月29日 | PCから投稿

陽だまりのように優しく、温かく、ちょっとだけ奇想天外

沖田作品はいつも陽だまりのようだ。たとえ主人公の心に生きる上での悩みや悲しみ、孤独がのしかかろうとも、決して吹きっさらしのままにはせず、いつしかなんとも言えない温もりがその身をそっと包み込む。樹木希林を演出した「モリのいる場所」の自由さにも驚かされるばかりだったが、今回、田中裕子演じる「桃子さん」の中でゆっくりと移ろいゆく記憶や想いに寄り添う過程にも、確かな優しさと温もりがにじんでいた。一人きりになると決まって現れる「心の声」の表現も毎度おかしくてたまらないが、そこから奇想天外なマジックリアリズムへと突入したり、上京直後の夢と希望、家族みんなが居た頃の懐かしい記憶が急に沸き起こったり、はたまた彼女の人類史への興味関心もダイナミックに映画を息づかせる。140分近い作品だが、もっと寄り添って見つめていたいとも感じる。またも人間のこと、歳を重ねることを好きになれる名作を、沖田監督は届けてくれた。