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才色兼備の国務長官とうだつのあがらないジャーナリストとの恋愛をシニカルに描いた、シャーリーズ・セロンとセス・ローゲン主演のラブコメディ。アメリカの国務長官として活躍するシャーロット・フィールドは目前に控えた大統領選の選挙スピーチ原稿作りをジャーナリストのフレッドに依頼する。常に世間から注目され、脚光を浴びるシャーロットと行動をともにするうちに、彼女が高嶺の花であることがわかっていながらフレッドは恋に落ちてしまう。しかし、この恋にはクリアしなければいけないさまざまな高いハードルが待ち受けていた。シャーロット役をセロン、フレッド役をローゲンがそれぞれ演じるほか、オシェア・ジャクソン・Jr.、アンディ・サーキス、アレクサンダー・スカルスガルドらが脇を固める。監督は、ローゲンとは「50/50 フィフティ・フィフティ」でもタッグを組んだジョナサン・レビン。
監督: ジョナサン・レビン
製作: エバン・ゴールドバーグ セス・ローゲン ジェームズ・ウィーバー シャーリーズ・セロン A・J・ディックス ベス・コノ
製作総指揮: ケリー・コノップ バーバラ・A・ホール ダン・スターリング ジョン・パワーズ・ミドルトン アレクサンドリア・マカティー ジョナサン・レビン ネイサン・カヘイン エリン・ウェスターマン ジョー・ドレイク
出演: シャーリーズ・セロン / セス・ローゲン / オシェア・ジャクソン・Jr. / アンディ・サーキス / ジューン・ダイアン・ラファエル / ボブ・オデンカーク / アレクサンダー・スカルスガルド / ラビ・パテル / アビバ・モンジッロ / ブラクストン・ハーダ
英題:Long Shot
アメリカ / 英語
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映画レビュー

PRO
ラブコメの男女逆転バージョンを下ネタでコーティング!
村山章さん | 2020年1月30日 | PCから投稿
ネタバレ
クリックして本文を読む #MeToo時代だから、というだけでなく、時代の変遷を意識して、かなり意図的にラブコメの王道パターンの男女逆転に挑んでいる。モチーフとなるのは、映画で描かれてきたキャリアの中でもステイタスという点ではとんでもなく高い合衆国大統領。女性が目指すなんて設定がありえなかった時代はもうひと昔もふた昔も前だと思うが、本作では「内助の功」というワードが浮かぶくらいに、究極のキャリア志向をサポートする役割を男性が担っている。
とはいえ、男女の役割を逆転させただけで面白いラブコメができるわけではなく、そこは脚本も演技も主演ふたりの相性も素晴らしい。特にセス・ローゲンという存在には下ネタが付き物だが、ここまでクライマックスにガッツリと下ネタが絡んでくるのに、ほっこりさせてしまう力業は天晴れと言うしかない。
ひとつだけ気になったのは、この「男女の役割反転」というコンセプトが、現時点ではわずかに時代遅れになってしまっているように思えること。聞けば脚本は何年も前から評判を呼んでいたものだそうで、映画になるまでのタイムラグによって、時代が脚本を追い越した例だと思う。もはや時代は、「役割を入れ替える」という段階よりもっと先を見据えようとしているのではないか。だからといって映画の面白さが減じるわけではなまったくないのですが。