ジョン・ウィック

   103分 | 2014年 | R15+

キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮した大ヒットアクションシリーズ第1弾

銃とカンフーを融合させた新銃術「ガンフー」を中心とした独自のアクション世界を展開する。

「マトリックス」シリーズのキアヌ・リーブスが主演を務め、元殺し屋の壮絶な復讐劇を描いたアクション。「マトリックス」ほか数々の大作映画でスタントやスタントコーディネーターを手がけたチャド・スタエルスキが初メガホンをとり、銃とカンフーを融合させた新銃術「ガンフー」を中心とした独自のアクション世界を展開する。愛する女性ヘレンとの出会いをきっかけに、裏社会から足を洗った殺し屋ジョン・ウィック。しかし、ヘレンは病に倒れて帰らぬ人となってしまい、ジョンは悲しみに暮れる。そんなジョンのもとに、ヘレンが生前に用意していたデイジーという名の一匹の子犬が届けられる。亡き妻の思いが託されたデイジーとの生活で再び心に平穏を取り戻していくジョンだったが、ある日、ジョンの所有する車を狙って家に押し入ったロシアンマフィアが、デイジーを殺してしまう。生きる希望だったデイジーを奪われたジョンは、かつてその名をとどろかせた裏社会に舞い戻り、ロシアンマフィアの組織を相手に単身戦いを挑む。

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映画レビュー

村山章

PRO

ソリッドにまとまったシリーズの原点。

村山章さん | 2023年7月31日 | PCから投稿

シリーズの発展と表現のエスカレートを踏まえて見直すと、一作目はずっとシンプルだった。しかし、この時点から「ジョン・ウィック」には独自の世界観があった。唯一無二のルールを持ち、一般人がほとんど関与しないギャングと殺し屋たちの世界。舞台として映っている街こそニューヨークなのだが、笑ってしまうくらいリアリティがなく、登場人物たちは狭いコミュニティで暮らしている。その中でだけ殺し殺される骨肉の戦いが繰り広げられる。ウソっぽいといえばそれまでだが、これほど絵空ごとのアクションを楽しめる世界線もなかなかない。キアヌ演じるジョン・ウィックが思いっきり傷だらけになっていくのもシリーズの売りであり、絵空ごとの安心感と、スタントの身体性が日本柱となって、シリーズはさらに特異な世界観を構築していく。今にしてみれば壮大なシリーズのアバンのような作品だが、出発点にしてすべてがほどよくまとまっているのがとても良い。

ホンダケイ

PRO

キアヌの最新当たり役は、伝説の殺し屋のブチギレ復讐血みどろアクション

ホンダケイさん | 2021年8月27日 | PCから投稿

シリーズ誕生のきっかけとなった第1弾。妻を病気で亡くし、忘れ形見の愛犬と愛車(ボンピン付きカスタム69年式マスタング)をロシアン・マフィアに奪われた元殺し屋が、復讐のために復帰する。鉛筆1本で3人を葬った伝説を持つキアヌ演じる主人公だが、アクションは決して華麗とは言えない不器用さと痛みを伴いつつも、格闘技と射撃(または両方)で仕留める実践型。監督は製作会社87イレブンを立ち上げた格闘家出身のチャド・スタエルスキと元スタントマンのデビッド・リーチ(ノン・クレジット)の2人。特にリーチは「デッドプール2」「ワイルド・スピード スーパーコンボ」の監督を務めるまでになったたたき上げの現場主義派。また、人気射撃インストラクター、タラン・バトラーの濃密指導を受けたキアヌのガンさばきやカスタムされた銃の数々も、本作のもう一つの魅力になっている。
そのほか、殺し屋しか泊まれないホテル(外見はNYのフラットアイアンビル)、裏社会の仲間が敵の人数を符号で教えたり(「痩せた、28キロ(人)」→実際には33人だったが)、飛行場スタッフが暗殺者小説「シブミ」を読んでいたり、ギミック満載のスーツを仕立てて戦ったりと小ネタの趣味もこだわり満載。
「マトリックス」以来の、ネオとは違う魅力を持ったキアヌの当たり役、変わった殺し屋アクションをお探しならぜひ!