博士と狂人

博士と狂人

3.8    124分 | 2019年 | G
博士と狂人

博士と狂人

3.8 124分 | 2019年 | G

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19世紀、独学で言語学博士となったマレーは、オックスフォード大学で英語辞典編纂計画の中心にいた。シェイクスピアの時代まで遡りすべての言葉を収録するという無謀ともいえるプロジェクトが困難を極める中、博士に大量の資料を送ってくる謎の協力者が現れる。その協力者とは、殺人を犯し精神病院に収監されていたアメリカ人、マイナーだった――。

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映画レビュー

高森 郁哉

PRO

言葉をもっと大切にしなければ、と諭される思い

高森 郁哉さん | 2020年10月29日 | PCから投稿

コンピュータもデータベースもない19世紀、膨大な用例を集めるのは途方もないマンパワーを要する難事業であったことは容易に想像がつく。メル・ギブソンが演じたマレー博士は単に語学の天才だっただけでなく、広くボランティアを募って用例収集に協力してもらうという、IT時代の分散コンピューティングを先取りしたような独創的な発想の持ち主でもあった。

殺人を犯した“狂人”マイナーを演じたショーン・ペンは、前半は演技過剰に感じたが、マイナーに夫を殺されたイライザ(ナタリー・ドーマーが憎しみから愛情へ揺らぐ心情を好演)と関わるあたりから持ち味を活かせた印象。彼女が子供たちをマイナーと面会させた時の、長女が取った行動には胸を締めつけられた。マイナーによる「言葉の翼があれば世界の果てまで行ける」は名言で、言葉の力と可能性を端的に示している。精神病院の警備員に扮するエディ・マーサンも人間味を感じさせる名脇役だった。

映画レビュー

高森 郁哉

高森 郁哉さん PRO
2020年10月29日 | PCから投稿

言葉をもっと大切にしなければ、と諭される思い

コンピュータもデータベースもない19世紀、膨大な用例を集めるのは途方もないマンパワーを要する難事業であったことは容易に想像がつく。メル・ギブソンが演じたマレー博士は単に語学の天才だっただけでなく、広くボランティアを募って用例収集に協力してもらうという、IT時代の分散コンピューティングを先取りしたような独創的な発想の持ち主でもあった。

殺人を犯した“狂人”マイナーを演じたショーン・ペンは、前半は演技過剰に感じたが、マイナーに夫を殺されたイライザ(ナタリー・ドーマーが憎しみから愛情へ揺らぐ心情を好演)と関わるあたりから持ち味を活かせた印象。彼女が子供たちをマイナーと面会させた時の、長女が取った行動には胸を締めつけられた。マイナーによる「言葉の翼があれば世界の果てまで行ける」は名言で、言葉の力と可能性を端的に示している。精神病院の警備員に扮するエディ・マーサンも人間味を感じさせる名脇役だった。