スクリーン2
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韓国で爆発的なヒットを記録した、ポン・ジュノ監督(「殺人の追憶」)によるパニック・エンタテインメント大作。ソウルの中心を貫く漢江(ハンガン)の河川敷で、小さな売店を営みながら暮らすパク一家。普段と変わらない日を送っていたパク一家の面々だったが、ある日突然、漢江から飛び出してきた謎の巨大な怪物に娘ヒョンソを奪われてしまう……。主演は「JSA」「殺人の追憶」など韓国を代表する名優となったソン・ガンホ。
監督: ポン・ジュノ 脚本: ハ・ジョンウォン パク・チョルヒョン 撮影: キム・ヒョング 出演: ソン・ガンホ / ペ・ドゥナ / ピョン・ヒボン / パク・ヘイル / コ・アソン 英題:The Host 韓国 / 韓国語 (C)2006 Chungeorahm Film. All rights reserved.
PRO
社会や日常や心の奥底に潜む怪物性
牛津厚信さん | 2020年5月31日 | PCから投稿
ネタバレ
「パラサイト」を見て、改めて本作に舞い戻ると、ポン・ジュノ監督作としてはここで初めて「家族」というテーマが前面に取り上げられていることに気づく。「ほえる犬」では夫婦生活が描かれ、「殺人の追憶」ではラストで一瞬、家族の朝食風景が描かれるのみ。三作目となる飛躍作で、過去の常連や主役級を招集しチーム戦に挑んだことで、「個」と「集団」がダイナミックかつ複合的に融合した傑作が誕生した。気になるのは、どんな時も惰眠をむさぼる主人公と、同様に眠る姿の印象的なグエムルがどこか比較されているように思えるところ。返り血を浴びたことによる共振関係も示唆されつつ、ラストでは川岸に怪物が潜んでやしないかと主人公が闇を凝視する姿も描かれる。似たような場面は「殺人の追憶」のラストでも。得体の知れない怪物性はポン・ジュノ作品の永遠のテーマだ。それは社会や心の奥底に潜み、ふと気を緩めると、闇の向こうから這い出てくる。
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