イラン映画で初めてアカデミー外国語映画賞を受賞、ベルリン国際映画祭でも金熊賞を含む3冠を達成した「別離」(2011)のアスガー・ファルハディ監督が、初めて国外を舞台に撮り上げた長編作。子連れのカップルが再婚を考えるが、娘の告白がきっかけで、それぞれの過去や本心が次々と明らかになり、見えなかった真実が浮き彫りになっていく様子をサスペンスタッチに描いた。夫と別れて4年がたつシングルマザーのマリーは、子持ちの男性サミールとの再婚を予定し、新たな生活を始めていた。しかし、正式な離婚手続きをしていないため、イランにいる夫のアーマドをパリに呼び寄せる。アーマドはマリーの新しい家庭と生活を目の当たりするが、そこにはどこか不穏な空気が流れていた。長女リュシーとの関係がうまくいっていないというマリーから、娘の本音を探ってほしいと頼まれたアーマドは、リュシーの話を聞くことになるが……。主演のマリー役は「アーティスト」のベレニス・ベジョで、カンヌ映画祭女優賞を受賞。
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