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リーマンショック後のニューヨークを舞台に、ストリップクラブで働く女性たちがウォール街の裕福なサラリーマンたちから大金を奪う計画を立てたという実話を、ジェニファー・ロペスと「クレイジー・リッチ!」のコンスタンス・ウーのダブル主演で映画化。年老いた祖母を養うためストリップクラブで働き始めたデスティニーは、そこでひときわ輝くストリッパーのラモーナと出会う。ストリッパーとしての稼ぎ方を学び、ようやく安定した生活が送れるようになってきたデスティニーだったが、2008年に起こったリーマンショックによって経済は冷え込み、不況の波はストリップクラブで働く彼女たちにも押し寄せる。いくら働いても自分たちの生活は向上しない一方、経済危機を起こした張本人であるウォール街のエリートたちの裕福な暮らしは変わらず、その現実に不満を募らせたラモーナが、デスティニーやクラブの仲間を誘い、ウォール街の裕福なクライアントから大金をだましとる計画を企てる。
監督: ローリーン・スカファリア
製作: ジェシカ・エルバウム エレイン・ゴールドスミス=トーマス ジェニファー・ロペス ベニー・メディナ ウィル・フェレル アダム・マッケイ
製作総指揮: ミーガン・エリソン パメラ・サー アレックス・ブラウン ロバート・シモンズ アダム・フォーゲルソン
出演: コンスタンス・ウー / ジェニファー・ロペス / ジュリア・スタイルズ / キキ・パーマー / リリ・ラインハート / リゾ / カーディ・B / メット・トーレイ / マデリーン・ブルーワー / トレイス・リセット / マーセデス・ルール
英題:Hustlers
アメリカ / 英語
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映画レビュー
PRO
女性版グッドフェローズだが、根底にあるのものは真逆
村山章さん | 2020年3月28日 | PCから投稿
ネタバレ
クリックして本文を読む多くの人が指摘しているように、確かにこの映画には『グッドフェローズ』女性版の趣きがある。アウトローの痛快さが宿ったピカレスクロマンだ。しかし友情と連帯がやがて裏切りの連鎖に変貌していく『グッドフェローズ』とは、根本的に違っている。この映画の主人公たちにも疑心暗鬼や裏切りはあるが、根底では社会から踏みつけにされた同性同士という連帯で繋がっている。この違いが、単に性差の問題なのか、それとも社会的立場から生まれているのかはまだわからない。わからないのだが、なにがあっても相手を思いやれる気持ちを失わない彼女たちの関係性はすごく羨ましいし、やはり男は『グッドフェローズ』の殺伐に引き寄せられる愚かな生き物なのかもと思ってしまう。決して痛快なだけの話ではない。むしろ、転落劇に転じる後半が映画の印象を決定づけている。そして失敗の話だからこそ、彼女たちの優しい側面が胸に沁みるのである。