薬の神じゃない!

薬の神じゃない!

4.2    117分 | 2018年 | G
薬の神じゃない!

薬の神じゃない!

4.2 117分 | 2018年 | G

スクリーン1
配信期間: 2021年10月7日(木)まで

2014年に中国で実際に起こり、中国の医薬業界の改革のきっかけともなったジェネリック薬の密輸販売事件を映画化。上海で小さな薬屋を細々と営むチョン・ヨンは、店の家賃も払えず、妻にも見放され、人生の底辺をさまよっていた。ある日、血液のがんである慢性骨髄性白血病患者のリュ・ショウイーが店にやってきた。彼は国内で認可されている治療薬が非常に高価なため、安くて成分が同じインドのジェネリック薬を購入してほしいとチョンに持ちかけてきた。最初は申し出を断ったチョンだったが、金に目がくらみ、ジェネリック薬の密輸・販売に手を染めるようになる。そしてより多くの薬を仕入れるため、チョンは購入グループを結成する。白血病の娘を持つポールダンサー、中国語なまりの英語を操る牧師、力仕事が得意な不良少年などが加わり、密輸・販売事業はさらに拡大していくが……。

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監督: ウェン・ムーイエ
製作: ワン・イービン リウ・ルイファン ニン・ハオ シュー・ジェン
脚本: ウェン・ムーイエ ハン・ジャニョ ジョン・ワイ
出演: シュー・ジェンワン・チュエンジュンジョウ・イーウェイタン・ジュオチャン・ユーヤン・シンミン
英題:我不是薬神 Dying to Survive
中国 / 中国語、英語
(C)2020 United Smiles Co., Ltd. All Rights Reserved

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映画レビュー

杉本穂高

PRO

法を守り人を見捨てるか、法を破り人を守るか

杉本穂高さん | 2020年10月31日 | PCから投稿

法を守ることが正義か、法を破ってでも人を救うのか正義か。主人公は金のために白血病の薬の密輸に手を染める。彼には義侠心も正義感もなかった。金のためだけに始めた事業だが、正規ルートでは高くて変えない薬を求めて、白血病の患者が殺到。期せずして主人公は救世主となってしまう。
警察の捜査の手が伸び、事業をストップせざるを得なくなった時、患者たちに死の危険が迫る。国は貧乏人の命を救わない。救えるのは主人公のような犯罪者だった。彼は確かに犯罪者だが、本当の意味で公共心を持った男と言える。法を守り人を守らない国に公共心はあるだろうかとこの映画は問いかける。法の奴隷では人間とは言えない。自分の頭で考え、時には法を破り人を守れる人間こそ、真の成熟した人間である。
手に汗握る展開で一流の娯楽映画であり、社会への深淵な問いかけももった作品。素晴らしい傑作。

細野真宏

PRO

2014年に起きた実在の中国の医療事件を元に描き、中国で興行収入500億円の大ヒットをし賞レースも席捲した作品。

細野真宏さん | 2020年10月18日 | PCから投稿

本作は2014年に中国で実際に起きた「血液のがん」である「慢性骨髄性白血病」をめぐる中国の医療問題に切り込んだ社会派エンターテインメント作品です。
主人公は、上海でインドの強壮剤を販売している店主ですが、利益も出せず苦しい生活を送っています。
そんな彼のもとに「慢性骨髄性白血病」に苦しむ男性が訪れ、「中国で認可されている正規の薬は値段が高すぎて治療を続けるのが困難で、インドで製造・販売されているジェネリック医薬品を入手したい」と密輸の依頼を持ち掛けます。
あまりにリスクが大きすぎるため一度は断るのですが、主人公は父親の手術費も払えなくなり、遂に安価で買える「慢性骨髄性白血病」のインドのジェネリック医薬品の密輸に乗り出します。
最初は、あまりに違いすぎる価格差によって安価で売却しても利益は出ましたが、中国の警察が本格的に動き出し、リスクがどんどん高まっていきます。
そして、密告の脅しまで出て、逮捕される前に辞めようと決意します。
ただ、同時に主人公は、いつ誰が罹ってもおかしくない「慢性骨髄性白血病」の医療問題の現実に直視せざるを得なくなるわけです。
果たして、最終的に主人公がとった行動とは?

本作は2018年の金馬奨で作品賞、脚本賞、主演男優賞、新人監督賞、助演男優賞などにノミネートされ、見事に脚本賞、主演男優賞、新人監督賞を受賞しています。
中国や日本の医療問題を考える上でも見ておきたい名作だと思います。
残念なのは、公開規模が日本では非常に少ないという現実です。見られる人は是非見てみてください。

映画レビュー

杉本穂高

杉本穂高さん PRO
2020年10月31日 | PCから投稿

法を守り人を見捨てるか、法を破り人を守るか

法を守ることが正義か、法を破ってでも人を救うのか正義か。主人公は金のために白血病の薬の密輸に手を染める。彼には義侠心も正義感もなかった。金のためだけに始めた事業だが、正規ルートでは高くて変えない薬を求めて、白血病の患者が殺到。期せずして主人公は救世主となってしまう。
警察の捜査の手が伸び、事業をストップせざるを得なくなった時、患者たちに死の危険が迫る。国は貧乏人の命を救わない。救えるのは主人公のような犯罪者だった。彼は確かに犯罪者だが、本当の意味で公共心を持った男と言える。法を守り人を守らない国に公共心はあるだろうかとこの映画は問いかける。法の奴隷では人間とは言えない。自分の頭で考え、時には法を破り人を守れる人間こそ、真の成熟した人間である。
手に汗握る展開で一流の娯楽映画であり、社会への深淵な問いかけももった作品。素晴らしい傑作。

細野真宏

細野真宏さん PRO
2020年10月18日 | PCから投稿

2014年に起きた実在の中国の医療事件を元に描き、中国で興行収入500億円の大ヒットをし賞レースも席捲した作品。

本作は2014年に中国で実際に起きた「血液のがん」である「慢性骨髄性白血病」をめぐる中国の医療問題に切り込んだ社会派エンターテインメント作品です。
主人公は、上海でインドの強壮剤を販売している店主ですが、利益も出せず苦しい生活を送っています。
そんな彼のもとに「慢性骨髄性白血病」に苦しむ男性が訪れ、「中国で認可されている正規の薬は値段が高すぎて治療を続けるのが困難で、インドで製造・販売されているジェネリック医薬品を入手したい」と密輸の依頼を持ち掛けます。
あまりにリスクが大きすぎるため一度は断るのですが、主人公は父親の手術費も払えなくなり、遂に安価で買える「慢性骨髄性白血病」のインドのジェネリック医薬品の密輸に乗り出します。
最初は、あまりに違いすぎる価格差によって安価で売却しても利益は出ましたが、中国の警察が本格的に動き出し、リスクがどんどん高まっていきます。
そして、密告の脅しまで出て、逮捕される前に辞めようと決意します。
ただ、同時に主人公は、いつ誰が罹ってもおかしくない「慢性骨髄性白血病」の医療問題の現実に直視せざるを得なくなるわけです。
果たして、最終的に主人公がとった行動とは?

本作は2018年の金馬奨で作品賞、脚本賞、主演男優賞、新人監督賞、助演男優賞などにノミネートされ、見事に脚本賞、主演男優賞、新人監督賞を受賞しています。
中国や日本の医療問題を考える上でも見ておきたい名作だと思います。
残念なのは、公開規模が日本では非常に少ないという現実です。見られる人は是非見てみてください。