バーフバリ 王の凱旋
映画レビュー
PRO
全編見せ場の一大スペクタクル
杉本穂高さん | 2018年1月27日 | PCから投稿
全編見せ場の映画として、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などと並び称されてもおかしくない凄さがある。インドの叙事詩、マハーバーラタを参照したフィクションであるが、神話を再現したらこうなった、という趣きがインド映画ならではの破天荒なパワーで描かれている。
かなり多くの逸話からの出典が見られ、インドでは多くの批評家とともに学者もこの映画に対して相当の言及をしているようだ。歌って踊るお気楽映画とも異なる雰囲気をもっているが、インドの文化的背景を知っておくともっと楽しめる。
もちろん何も知らなくても楽しめる良質の娯楽映画だ。アクションの見せ場が切れ目なく訪れ、愛と裏切り、権力争い、忠義と歴史ものの物語に欠かせない要素がこれでもかと詰め込まれていて観ていて飽きることはない。なによりスケールが破格。ハリウッド映画以上のスケール感を感じる。
PRO
全方位的にアッパレな壮大エンタメの完結編
村山章さん | 2017年12月31日 | PCから投稿
『バーフバリ 伝説誕生』に続く二部作の完結編。インド映画のごった煮パワーにCGを足したらどうなるのかは既に『ロボット』が実践してくれているが、さらに『ベンハー』『グラディエーター』的なハリウッド流史劇スペクタクル要素を足してみたら、最高に熱くなれる豪快エンタメに仕上がりましたという大成功例。
王道のインド映画であるからして、当然歌って踊って恋をして、超カッコいい男と絶世の美女がみごとなキメ顔を披露する。荒々しいくもバカげたアクションシーのテンションも天井知らず。上映時間は長いけれど、正直まだまだ観ていられる。むしろ「バーフバリ」成分がまだまだ足りない!
そしてベタな英雄譚に思われがちだが、実は現代的な視点が多く感じられる。男女差別、インド文化に根付いた階級や格差の問題、セクハラへの対処法など、旧来の価値観を打ち崩そうという意志がみなぎっているのではないか。いずれにせよ、全方位的にアッパレな二部作、ありがとうございました!