こわれゆく女

   147分 | 1975年

ジョン・カサベテス監督の代表作の1つとなった傑作

ピーター・フォークとジーナ・ローランズ共演で、精神を病んだ妻とその夫の愛と葛藤を描いた人間ドラマ。

精神を病んだ妻とその夫の愛と葛藤を描き、ジョン・カサベテス監督の代表作の1つとなった傑作ドラマ。専業主婦のメイベルは、土木工事の現場監督を務める夫ニックや3人の子どもたちと暮らしている。精神バランスの不安定なメイベルは、ある晩ニックが仕事での突発的なトラブルで帰宅できなかったことを発端に、異常な行動を見せるようになり……。カサベテス監督の旧友ピーター・フォークと妻ジーナ・ローランズが主人公夫婦に扮する。

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映画レビュー

和田隆

PRO

人間の内面に潜む“孤独”や“狂気”を見つめたカサベテスの傑作

和田隆さん | 2023年6月28日 | PCから投稿

 精神を病んでいく妻メイベルをジーナ・ローランズ、その夫ニックを「刑事コロンボ」のピーター・フォークが演じています。美しく陽気で、まわりを明るくするメイベルですが、あることを発端に、異常な行動をみせるようになっていきます。その姿に見る者は心をかき乱されずにはいられません。

 瞳の奥に宿る感情、顔の表情や身体の動きひとつで、リアルを超えた生々しさをローランズが表現。さらに、カサベテスの実験的な演出とカメラワークにより、心の揺れが見ていて痛いほど伝わってきます。

 メイベルはなぜ精神のバランスを崩してしまったのか。こわれゆくのは誰なのか。映画に対する見方が変わることでしょう。