映画レビュー
PRO
マイク・ミルズ安定のふんわり仕上げ
村山章さん | 2017年6月30日 | PCから投稿
マイク・ミルズという人は、提示したテーマやモチーフを結局雰囲気にもんわりとくるんでしまう印象がある。監督の若き日に大きな影響を与えた女性たちに捧げたという本作もその印象は変わらない。
ただこの監督、女優を魅力的に映すことには本当に長けている。アネット・ベニングもグレタ・ガーウィグもエル・ファニングも、スクリーンの中に存在している姿を見るだけで飽きない。
しかしなんだこのエル・ファニングの危ういエロさは。エル・ファニングはニョキニョキとタケノコが竹になるように成長しており、比喩なだけでなく身長もデカい。その物理的な属性が、デカくなり過ぎた自分を持て余しす思春期の少女役にみごとにハマっている。
女性たちがよく映りすぎていて、結局は理想化された姿のように思えたりもするのだが、こんなにも女優が輝いている姿を見られるだけで、ミルズ作品が苦手な自分も観てよかった、と結論せざるを得ない。