バクラウ 地図から消された村
第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞受賞作品
ブラジルの新鋭クレベール・メンドンサ・フィリオ監督が描く、血と暴力に彩られた現代の寓話。
映画レビュー
PRO
グローバリズムへの抵抗の一撃
杉本穂高さん | 2021年2月28日 | PCから投稿
これはすごい。グローバリズムの時代に強烈な楔を打ち込んでいる。この映画で描かれる村は時代遅れで、野蛮な連中と言えるかもしれない。しかし、それもまた人の文化であり、尊重されねばならない。ネット上の地図から消されたことをきっかけに次々と恐ろしいことが起こる村で、村人たちは自分たちの村を破壊しようとする外部の連中に対して、一致団結して殺しにかかる。現代グローバルの価値観からは到底受け入れられない所業が後半描かれるが、この映画はそれを断罪などしない。これも人間の文化であると言い切っているように僕には見えた。
日本のアイヌ文化のことを少し思い出したりした。熊を育てて殺しイオマンテという儀式は野蛮だと今はみなされてしまうだろう。しかし、あれも少数民族の大切な文化だったろう。グローバリズムとは結局、強引に少数の価値観を洗い流す凶行なのではないか。凶行に対して、この映画の村人は文字通り凶行で対抗したわけだ。彼らの凶行は、マジョリティ側の乱暴さ、乱雑さをも浮かび上がらせる。
PRO
これがホントのアンチ・ハリウッド映画
村山章さん | 2020年12月31日 | PCから投稿
ネタバレ
PRO
これは世界の縮図なのだろうか
牛津厚信さん | 2020年11月29日 | PCから投稿
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