ペコロスの母に会いに行く

   113分 | 2013年 | G

スクリーン2

「喜劇・女は度胸」「男はつらいよ フーテンの寅」などで知られる名匠・森崎東監督が、「ニワトリはハダシだ」(2003)以来10年ぶりに発表した監督作。62歳で漫画家デビューを果たした岡野雄一の介護日誌コミック「ペコロスの母に会いに行く」「ペコロスの玉手箱」を原作に、離婚して子連れで故郷の長崎に戻った主人公ゆういちと、85歳になりグループホームで暮らす認知症の母みつえの心温まる日常を描く。ゆういち役で岩松了が主演、母みつえ役に赤木春恵。そのほかのキャストに加瀬亮、竹中直人、大和田健介ら。原田知世と原田貴和子が約20年ぶりに姉妹共演も果たしている。

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監督: 森崎東
原作: 岡野雄一
脚本: 阿久根知昭
出演: 岩松了赤木春恵原田貴和子加瀬亮竹中直人大和田健介松本若菜原田知世宇崎竜童温水洋一穂積隆信渋谷天外春風ひとみ根岸季衣長澤奈央大門正明佐々木すみ江正司照枝島かおり今井ゆうぞう長内美那子志茂田景樹
日本 / 日本語
(C)2013『ペコロスの母に会いに行く』製作委員会

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映画レビュー

大塚史貴

PRO

「本当は弱いのにね…」 赤木春恵さんの名演技に笑って泣いて

大塚史貴さん | 2020年8月12日 | PCから投稿

7月に死去した森崎東監督の遺作となったのが、2013年に公開された今作だ。
森崎監督の故郷・長崎で撮影されたが、テーマとなったのが「認知症」。
岡野雄一の介護日誌コミックが原作となっているが、この原作がそもそも重いトーンではないこともあって、実に軽快に、それでいて非常に丁寧に作りこまれている。
そして何よりも、赤木春恵さんの名演技なくしては、成立しない。
長崎市内の現場で話を聞いたとき、「テレビドラマのイメージが強くて、きつい姑役ばかり。本当は弱いのにね…」と明かしてくれた時の、澄んだ眼差しが忘れられない。
決して誇張なく、笑わせられた後にはホロっとさせられて、誰と見ても楽しめる素晴らしい作品。