映画レビュー
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韓国と日本の要素が交じり合い、奇天烈な世界が現出
高森 郁哉さん | 2017年3月14日 | PCから投稿
日本統治下の韓国が舞台ということで、まずハングルと日本語が混在。さらに日本的な官能文化と、韓流のエロティシズムのミクスチャー。これらの要素が渾然一体となり、独特の異世界感を醸し出す。
原作は「このミス」海外編1位のイギリスの小説だそうで。三部構成になっていて、それぞれの視点から描きなおす構成が面白く、緻密に練られている。
秀子が金持ちの日本人たちに官能小説を読み聞かせる場面は、たどたどしい日本語の効果もあって、エロいというよりユーモラス。仰々しいSMチックな道具が出てくる段に至っては、笑いがこみあげてきて抑えるのが大変だった。
エロティック・ミステリーは多々あれど、この作品は従来の型にはまらない、奇妙な新しさがある。