「セックス・ピストルズ 破壊の設計図」グレン・マトロックが語る、伝説のパンクバンドの曲作りと聴衆の熱狂、再結成後の活動
2026年10月3日 16:00

映画「セックス・ピストルズ 破壊の設計図」が公開された。1970年代後半のパンクブームの火付け役となったセックス・ピストルズのオリジナルメンバーだったグレン・マトロック氏(ベースとソングライティングを担当)の視点で、バンド結成から名曲「Anarchy in the U.K.」の誕生、脱退の経緯、デビューアルバム発売後の米国ツアーと解散を振り返るドキュメンタリーだ。
アルバム収録曲の大部分の作曲に携わりながらもバンドが世界的名声を得る前に脱退したことで、かつては“不運な男”のイメージもつきまとったが、映画ではその後マトロック氏が主導したバンドでの活動や、イギー・ポップ、フェイセズ、ブロンディといった錚々たるアーティストたちとの共演も紹介されている。1996年のピストルズ再結成後の活動も大いに楽しんでいるマトロック氏に、オンラインビデオ会議を介してインタビューを行った。(取材・文/高森郁哉)
© 2025, I WAS A TEENAGE SEX PISTOL PRODUCTION, LLC ALL RIGHTS RESERVED端的に言えば、他のことで忙しかったから。もう少し詳しく話すと、これまでも(映画製作を)一緒にやろうと意気込む人に何人か出会ったけれど、うまくいかなかったり、資金が集まらなかったりして、年月が過ぎていく。そうこうしているうちに、また別のことで忙しくなって……そんなふうに20年が経ってしまった。
でも数年前に出会ったのがニック・ミードで、彼がアンドレ・レリスを紹介してくれたんだ(2人は本作の共同監督)。彼らが製作を望んでくれたから、そのまま進めることにした。でも、これだけ待ったおかげでパンク誕生50周年と重なったわけだから、結果的には良かったのかもしれないね。
© 2025, I WAS A TEENAGE SEX PISTOL PRODUCTION, LLC ALL RIGHTS RESERVEDロニーをはじめ、大勢に影響を受けたな。(ザ・フーの)ジョン・エントウィッスルも好きだね。それからソングライターで言うと、イギリスで今も現役の最高のソングライターはザ・キンクスのレイ・デイビスだと思う。もし彼と同じくらい良い歌を一曲でも書けたら、誇らしいだろうね。いろいろあるけど、幅広いジャンルの音楽が好きなんだ。フランク・シナトラのバラードも好きだし、(「ジェームズ・ボンド」シリーズなど多くの映画音楽を作曲した)ジョン・バリーもいい。
© 2025, I WAS A TEENAGE SEX PISTOL PRODUCTION, LLC ALL RIGHTS RESERVEDあのリハーサルを始めたときは、僕がメインのアイデアやリフなどを持っていて、みんなでスタジオに入って演奏し始めた。そうしたら、ジョン(ジョニー・ロットン)が歌詞を作って……あっという間に形になったんだ。お互いの波長が合っているときは、やはりいいものが生まれる。音楽的にも、とても自然な感じだった。曲ができたあと、マンチェスターでのライブのオープニングで初めて演奏したら熱狂的な反応で、その時「何かすごいものができた」と手応えを感じたのを覚えているよ。
© 2025, I WAS A TEENAGE SEX PISTOL PRODUCTION, LLC ALL RIGHTS RESERVEDそうだね、まあ良い気分ではあるかな。ただし、当時のセックス・ピストルズが世界的な成功を収めたという点には違和感がある。というのも、僕が抜けた後、バンドが世界的な名声を得たのは、実質的に解散した後だから。国外でツアーをしたのは唯一アメリカで、それもうまくいかなかった。シド(・ヴィシャス、後任ベーシスト)の問題行動もあったからね。
僕ら(セックス・ピストルズ)が真に世界的な成功を収めたと言えるのは、1996年に再結成してからのことだろう。以降も(間隔は空けながら)活動は続いているから。そのことについては本当に満足しているよ。
© 2025, I WAS A TEENAGE SEX PISTOL PRODUCTION, LLC ALL RIGHTS RESERVED今のところフランクと新しい曲をレコーディングする計画は実現していないし、この先どうなるかも分からない。ツアーでずっと忙しくしていたんだ。実は去年(2025年3月)に日本に来て、大阪と東京でライブをした(PUNKSPRING 2025に出演)。
僕らはまた日本に行きたいと思っているよ。みんな日本に行くのが大好きなんだ。フランクは休暇で行っていたし、日本のタトゥー・アートに興味があるみたい。僕の場合は、天ぷらが好物だし。そんなわけで、できることならまた行きたいね。
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